家族の盗癖が気になるときの対処法と医療・法的対応のポイント

家族内で金銭の盗難が繰り返される場合、それがたとえ配偶者であっても深刻な家庭問題となります。特に高齢の夫に盗癖がある場合、「懲らしめたい」という気持ちとともに、医療的または法的な対応を考える方も少なくありません。本記事では、盗癖に対する対応策や必要な準備、医療機関への相談方法について詳しく解説します。

盗癖(クレプトマニア)とは?

盗癖は「窃盗症」または「クレプトマニア」と呼ばれ、精神疾患の一種とされます。本人の意思でなく、衝動的に物を盗ってしまう特徴があり、欲しいものではないのに繰り返してしまうのが特徴です。刑法上の窃盗と区別されにくいこともありますが、医療的には治療対象とされています。

特に高齢者の場合、軽度認知症やフロントトラブル(前頭葉機能の低下)が背景にある場合もあります。

現行犯で確実に証拠を押さえる方法

家族間であっても、現行犯での証拠は極めて重要です。以下のような方法が実行可能です。

  • 財布にマークした紙幣を入れておく
  • 小型の防犯カメラ(録画タイプ)を設置する
  • 財布の中身を逐一メモに残し、日付とともに記録

ただし、録音・録画を行う際はプライバシーの侵害にならないよう注意が必要です。

精神科・心療内科への受診を促すには

盗癖が精神疾患によるものと疑われる場合、まずは本人が通いやすい形で受診のきっかけを作る必要があります。方法としては。

  • 「最近、物忘れが増えてきたね。一度病院で診てもらおうか?」と声をかける
  • 家庭内トラブルが続いていることを理由に第三者(医師や親戚)から勧めてもらう
  • 地域包括支援センターや保健所に相談し、専門職に介入してもらう

本人が拒否する場合でも、家族として医師に事前相談し、認知症外来や高齢者精神科に同行できる可能性を探ってみましょう。

法的対応を検討するケース

家庭内での金銭被害が継続し、医療的アプローチが難しい場合、法的手段を検討する選択肢もあります。例えば。

  • 家庭裁判所への保佐・後見申立て(財産管理の制限)
  • 生活費や被害金額の記録をとり、被害届を出す(最終手段)
  • 離婚や別居などの法的措置も視野に入れる

家族間の窃盗は処罰が難しい面もありますが、被害が繰り返される場合は正当な対応とみなされることもあります。

夫婦間の信頼を取り戻すために

感情的になってしまうのも無理はありませんが、長年の夫婦関係の中で、信頼を再構築する方法も模索できます。具体的には。

  • 金銭を管理する口座を分け、財布を共同で管理しない
  • 支出記録を家族で共有するようにする
  • 第三者を交えた家族会議を定期的に実施する

盗みを咎めること以上に、「なぜそうするのか?」という背景を共有し合うことで、少しずつ解決への道筋が見えてくることもあります。

まとめ:感情と現実のバランスを大切に

盗癖は重大な家庭の問題ですが、感情的な報復よりも、冷静かつ段階的な対処が効果的です。医療機関への受診や地域支援機関との連携、証拠の確保、家計の分離など、できることは多くあります。

年老いた配偶者であっても、本人の尊厳を守りつつ、家庭内の安心を取り戻すための第一歩として、今日からできる対応を始めてみてください。

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