マッチングアプリの普及とともに、既婚者が配偶者に隠れて不倫をするケースが増えています。不貞行為に対して法的措置を取りたいと考える人にとって、不倫相手の情報が少ない中で慰謝料請求ができるのかどうかは切実な問題です。この記事では、不貞行為の相手に対して、どのような条件で慰謝料請求が可能なのかをわかりやすく解説します。
マッチングアプリ経由でも不倫は慰謝料請求の対象となる
法律上、不貞行為(配偶者以外との性交渉)があれば、相手方に対して慰謝料請求が可能です。つまり、マッチングアプリで知り合った相手であっても、不倫関係が立証できれば請求対象になります。
ただし、その不倫相手が「既婚者であることを知りながら関係を持った」と認定される必要があります。知らずに関係を持っていた場合は、責任を問うのは難しいでしょう。
名前・住所がわからなくても慰謝料請求できるのか
実務上、慰謝料請求には相手を特定する情報(氏名・住所・連絡先など)が必要です。マッチングアプリではハンドルネームや顔写真、アカウント情報しかわからないことが多く、民事訴訟や内容証明の送付には不足しています。
そのため、実名や住所が判明していない状態では、慰謝料請求のハードルは非常に高く、事実上泣き寝入りになることも少なくありません。
証拠が不十分な場合の限界と対処法
たとえ関係があったことを示すメッセージや写真があっても、「既婚者と知っていたかどうか」の立証が難しいと、請求は認められないケースがあります。
LINEのやり取りやアプリ上のメッセージ、通話履歴、ホテルのレシートなどが証拠として有効ですが、情報が匿名性に守られているため、追跡は容易ではありません。
どのような場合に慰謝料が請求しやすくなるか
以下のような条件が揃っていると、慰謝料請求が現実的になります。
- 不倫相手が配偶者の既婚を知っていた証拠がある
- 不貞行為が複数回ある、または継続的な関係である
- 実名・連絡先・職場などの特定情報がある
- 証拠となる画像・やり取り・音声などが保存されている
例えば、ホテルの予約履歴に名前が残っていたり、相手がInstagramで実名を使用していたなどのケースでは、特定に至る可能性があります。
マッチングアプリでの調査方法と注意点
相手の情報を突き止めるために、探偵事務所に依頼する方法もあります。ただし費用が高額(10~30万円以上)になるため、費用対効果の見極めが重要です。
また、相手の個人情報を違法に取得すること(例:無断でログインするなど)は、逆にこちらが刑事罰に問われる可能性があるので、慎重に行動する必要があります。
まとめ:実名や証拠が揃えば請求可能だが、現実的には難しい場面も
マッチングアプリを通じた不倫であっても、条件が揃えば不倫相手に対する慰謝料請求は可能です。しかし、実名・住所の特定や証拠の確保といったハードルがあるため、専門家(弁護士)への相談が不可欠です。
泣き寝入りを避けたい場合は、証拠を地道に収集し、法的に正当な手続きで進めていくことが最も確実な方法となります。早めの相談が、あなたの今後を守る第一歩です。