駐車場内の事故は日常的に起こりうるトラブルの一つです。相手方に過失があっても、被害者側の対応によって最終的に受け取れる補償額は変わる可能性があります。本記事では、事故後に修理をせず保険金のみ受け取る場合の注意点や減額の可能性について詳しく解説します。
駐車場内での事故と過失割合の決まり方
駐車場内は私有地でありながらも交通事故が多く、過失割合の判断が難しいエリアです。たとえば、相手が後方から追突してきたとしても、停止中でなければ被害者側にも3割程度の過失が認定されることがあります。
過失割合が7:3とされた場合、修理費が20万円ならば相手方は14万円を支払う責任があります。
修理をしないと保険金はどうなる?
実際に修理をせずに現金で補償を受け取る「修理費相当額請求」は認められていますが、全額を受け取れるとは限りません。保険会社は、実際の修理が行われていない場合、「修理費のうち合理的な範囲の金額」しか支払わない方針を取ることが多いためです。
たとえば、塗装や部品交換をせずに済ます場合、人件費や塗装代などが差し引かれて補償額が12万円程度に減額されるケースもあります。
現金受取と修理の違い:選択によるメリット・デメリット
- 修理する場合:修理明細に基づいて見積額の範囲内で満額支払われることが多い。
- 修理しない場合:減額される可能性あり。保険会社によっては「損傷状況の写真提出」などが必要。
また、修理しないまま売却した場合、車の査定額が下がるため、後々の経済的損失が生じるリスクもあります。
「物損事故」の補償は人身と違って制限がある?
物損事故の保険金は、「実際に生じた経済的損失」に対してのみ補償されるのが原則です。修理費用見積もりが存在しても、実際に支払っていない場合はその全額を受け取る根拠が弱くなります。
一部の判例でも「合理的な金額まで支払う」とされており、修理費用全額の現金補償は保証されていません。
修理をするべきか?判断のポイント
以下の観点から総合的に判断することが大切です。
- 車の年式や市場価値
- 事故歴が残ることによる下取りへの影響
- 将来の車検や安全性への影響
- 保険金の減額幅
例えば、年式が古く査定額が低い車であれば、修理せず現金補償で済ませるのも合理的ですが、新車や人気車種では修復歴が残ることで数十万円の価値損失を招く可能性もあります。
まとめ:修理せず保険金を受け取る場合の注意点
事故後、修理をしないという選択肢も確かにありますが、その場合は保険会社によって補償額が減額される可能性が高まります。また、将来の車の売却価格や安全面の不安も考慮すべきです。
特に過失割合がある場合には、保険会社との交渉や書類対応が複雑になることもあるため、不安がある方は法テラスや弁護士への相談も検討するとよいでしょう。