鎖骨骨折後の後遺障害等級認定の可能性と労災・任意保険への申請手続き

交通事故や労災による鎖骨骨折のあと、しびれや痛みが残るケースは少なくありません。日常生活や仕事に支障が出るような後遺症がある場合、「後遺障害等級認定」を受けることで補償を得られる可能性があります。本記事では、鎖骨骨折による後遺症で等級認定を受けられるか、労災と任意保険への申請は併用できるのかを詳しく解説します。

後遺障害等級認定とは何か

後遺障害等級認定とは、治療を継続しても症状が残り、身体に支障が出ていることを公的に評価する制度です。自賠責保険や労災保険では、その評価によって支給される補償額が決まります。

認定されるためには、症状固定とされる段階で「医学的な証明(後遺障害診断書)」を提出し、等級審査を受ける必要があります。

鎖骨骨折で認定される後遺障害の例

鎖骨骨折では以下のような後遺障害等級が該当する可能性があります。

  • 肩や腕に動きの制限が残る場合:12級6号
  • 肩関節の可動域制限が3/4以下の場合:14級9号
  • しびれや神経症状が残る場合:14級9号(局部に神経症状を残すもの)

等級の決定は医師の診断と画像所見、可動域測定などが基準になります。しびれや痛みが続く場合、これを正確に診断書に記載してもらうことが重要です。

労災保険と任意保険への後遺障害申請の違い

労災と任意保険の両方に申請することは可能ですが、それぞれ申請先と手続きが異なります。

  • 労災保険:労働中・通勤中の事故が対象。労働基準監督署に提出し、厚生労働省の基準で審査されます。
  • 任意保険(自動車保険など):交通事故などが対象。損害保険会社の窓口に診断書を提出し、自賠責保険の基準に従って等級認定されます。

両方に後遺障害申請をする場合、診断書や可動域測定など共通の医療資料を使えますが、申請方法や審査基準に違いがあるため、それぞれの制度に精通した専門家のサポートを受けるとスムーズです。

後遺障害認定に向けた具体的な準備

等級認定を得るには、客観的証拠がカギとなります。

  • 症状固定日を医師と相談して確定する
  • 後遺障害診断書の作成を依頼する
  • 可動域測定や神経検査の数値を正確に記載してもらう
  • 可能であれば、MRIやレントゲンなどの画像診断も添付

診断書に曖昧な表現があると等級が下がる可能性もあるため、弁護士や後遺障害申請に精通した行政書士に確認してもらうこともおすすめです。

実例:鎖骨骨折で14級9号の認定が下りたケース

40代男性が交通事故により右鎖骨を骨折し、手術を受けた後も右肩のしびれと軽度の動作制限が残存。治療終了後に自賠責に後遺障害診断書を提出し、14級9号が認定され、約75万円の後遺障害慰謝料が支払われた事例があります。

このように、骨折による痛みやしびれが続くケースでは等級認定の対象となる可能性が十分にあります。

まとめ|医師と専門家のサポートで確実な申請を

鎖骨骨折後に痛みやしびれが残っている場合は、後遺障害等級の認定を受けられる可能性があります。労災と任意保険の両方に申請は可能であり、それぞれに合った手続きが必要です。認定を確実に得るためには、正確な診断書の作成や専門家のサポートがカギを握ります。

迷ったときは早めに弁護士や後遺障害等級の認定に詳しい行政書士などに相談することで、安心して補償を受ける準備ができます。

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