追突事故による慰謝料の相場と計算方法|頸椎捻挫・通院5日間で5万円は妥当か?

交通事故の被害者になり、頸椎捻挫などの軽度なケガで通院した場合、「慰謝料として5万円程度」という提示を受けて戸惑う方は少なくありません。とくに過失割合が10対0で完全に被害者であるにも関わらず、提示金額に納得できないケースもあります。本記事では、自賠責基準による慰謝料の相場や計算方法、適正額の判断基準について詳しく解説します。

追突事故における慰謝料の基本的な考え方

交通事故の慰謝料には3つの算定基準があります。「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準」です。保険会社からの提示額は、もっとも低額になる自賠責基準で計算されることが一般的です。

特に頸椎捻挫のような軽微な傷害では、通院日数や治療期間に応じて機械的に算出されるため、精神的苦痛の実態が反映されにくいという特徴があります。

自賠責基準による慰謝料の計算式

2020年4月以降の自賠責基準では、以下の計算式が採用されています。

通院1日あたり:4,300円 × 通院日数 or 実通院日数×2(いずれか少ない方)

例えば、5日間通院した場合。

通院実日数:5日 → 5日×2=10日と比較し、実通院日数5日を採用 → 5日×4,300円=21,500円

このほかに交通費、休業損害などが追加され、最終的に「5万円前後」の提示となるのは、上記の計算に基づくと理解できます。

提示金額が少ないと感じたら確認すべきこと

提示された慰謝料に納得がいかない場合、次の点をチェックしましょう。

  • 任意保険基準または弁護士基準で再計算できるか
  • 休業損害や通院交通費が十分に反映されているか
  • 後遺障害の認定申請を検討する余地があるか

たとえば、職業柄通院のために収入が大幅に減少した場合は、休業損害の補填額が数万円以上増額されるケースもあります。

弁護士基準による慰謝料との差はどのくらい?

弁護士基準を用いると、通院5日であっても裁判上は約10万円程度が認められる場合もあります。このため、慰謝料を適正に受け取りたい場合は、弁護士に相談するのも有効な手段です。

初回相談無料の交通事故専門弁護士も増えており、ベンナビ交通事故などのポータルサイトで地域の弁護士を探すことができます。

保険会社との交渉は慎重に

一度慰謝料を受け取ってしまうと、その後の増額交渉が難しくなる場合があります。提示された金額が妥当かどうか迷った際は、受け取りの前に専門家に相談することをおすすめします。

また、対応した保険会社が相手方(加害者側)の保険である場合、必ずしも被害者の立場を最大限に考慮した金額が提示されているとは限りません。

まとめ:5万円の慰謝料が妥当かどうかは通院日数や基準による

今回のケースのように「5日間通院し、慰謝料5万円前後」の提示は、自賠責基準で考えれば妥当な金額といえます。ただし、弁護士基準や休業損害・交通費を加味した再計算では、さらに増額される余地があります。

納得できない場合は、弁護士相談や第三者機関への相談も検討して、自身の権利をしっかり守る判断をしましょう。

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