好きなアイドルやアーティストを応援する「推し活」は、多くの人にとって人生の楽しみのひとつです。しかし、グッズ購入や遠征、イベント参加費などが積み重なり、気づけば借金を抱えてしまう人も少なくありません。本記事では、推し活がきっかけで借金を負い、最終的に債務整理を行った人の実例を交えながら、解決への道筋を紹介します。
推し活と借金：どこで歯止めが利かなくなるのか
推し活の出費は、少額のグッズから始まり、次第にライブ遠征やガチャ、コラボ商品の購入など、無意識のうちに大きな額へと膨らむことがあります。クレジットカードや後払いサービスを使うことで、「今すぐお金がなくても買える」錯覚に陥り、気づけば返済が困難な状況になってしまうのです。
特に「推しを応援するのは今しかない」「限定グッズを逃したくない」といった感情は、消費行動を後押しします。SNS上でも「借金してでも推し活」という価値観が一部に存在し、それが判断を鈍らせる原因になることもあります。
実際にあった債務整理のケース
ある20代女性は、K-POPアイドルの追っかけ活動により、3年間で総額150万円の借金を負いました。グッズ、航空券、宿泊費、ライブチケットをクレジットカードで賄い、リボ払いやキャッシングに依存していた結果、月々の返済が限界に。弁護士に相談し、任意整理を選択しました。
また、別の30代男性は、Vtuber推しへのスパチャやグッズ購入で借金が膨らみ、複数の消費者金融に返済できなくなったため、個人再生を申請。月々の返済額が大幅に減り、生活を立て直すことができました。
債務整理とは？主な3つの方法
債務整理には以下の3つの方法があります。
- 任意整理：弁護士を通じて貸金業者と交渉し、利息カットや分割返済を行う。比較的ハードルが低い。
- 個人再生：裁判所を通じて借金を最大90％カットし、原則3年間で返済。一定の収入が必要。
- 自己破産：返済能力がないと認定されれば、借金の返済義務がなくなる。ただし、信用情報に長期影響が出る。
どの方法を選ぶかは、借入額や収入、資産状況により異なります。弁護士や司法書士への相談は初回無料の事務所も多く、早めの相談が回復への第一歩です。
推し活とお金のバランスを見直すために
推し活は本来、心を豊かにするものです。借金に追われてしまっては、本末転倒と言えるでしょう。推し活を続けたいのであれば、「月いくらまで」「クレジットカードは使わない」「買うのは1イベント1アイテムまで」など、自分なりのルールを設けることが重要です。
また、推し活専用の予算口座を作る、ポイントサイトでグッズ資金を貯めるなど、工夫次第で無理のない応援が可能です。
債務整理後の生活と再出発
債務整理をしたからといって、推し活を完全に諦める必要はありません。債務整理後に家計を見直し、貯金を習慣化しながら、無料配信やSNSを活用した応援に切り替える人も増えています。
また、借金体験をきっかけに家計管理や金融リテラシーを身につけることで、精神的にも自立した「自分らしい推し活」が可能になります。
まとめ：推し活も生活も大事にしたいあなたへ
推し活は人生の楽しみですが、生活を脅かすような借金をしてまで続けるものではありません。もし借金で悩んでいるなら、早めに専門家に相談し、債務整理などの選択肢を検討してみてください。
本当に推しを大切にしたいなら、まずは自分の生活基盤を守ることが何よりの応援です。