ネット通販が日常的になった今、個人事業主が軽トラを使ってAmazonや楽天市場の商品を配達したいと考えるケースも増えています。しかし、「荷台での配達は法律違反では？」という疑問もあるでしょう。この記事では、軽トラックで荷台に商品を積んで配達する際の法的制限や注意点について詳しく解説します。
軽トラックでの配達は可能か？法的な基本
結論から言うと、軽トラックで荷台に楽天市場やAmazonの商品を積んで配達すること自体は、法律で一律に禁止されているわけではありません。ただし、運送業として有償で荷物を運ぶ場合には貨物軽自動車運送事業の届出が必要です。
この届出をしていれば、荷台に積んであっても法的に問題ありません。逆に届出をせずに報酬を得て配達をすると「白ナンバー営業」となり、違法行為として処罰対象になります。
荷室のある車が推奨される理由
法律上は荷台のある軽トラでも配達可能ですが、多くの業者が荷室（バン型車両）を使うのは主に安全性と荷物保護のためです。雨風にさらされる荷台では、梱包が濡れる・飛散するなどのリスクが高く、配送品質が保てません。
たとえばAmazonの委託配送では、「雨天時にも対応できる密閉型車両での配送が推奨」とされています。信頼性を保ちたい場合、軽バンやワンボックス車を選ぶのが現実的です。
積載に関する法的な注意点
軽トラックの荷台で配送する場合は、道路交通法や積載基準にも注意が必要です。たとえば「荷物の高さは地上から2.5m以下」「左右は車幅を超えない」などの規定があり、これに違反すると罰則が科されます。
また荷物は確実に固定しなければなりません。走行中に荷崩れした場合は、運転者の過失責任が問われます。荷締めベルトや防水シートは必須です。
実際の運用例と注意点
個人事業主Aさん（東京都在住）は、貨物軽自動車運送事業の届出を行い、軽バンと軽トラックを併用して楽天市場の委託配送を行っています。
「軽トラは近場の農産物や大型荷物に使い、雨天や電子機器類は軽バンで対応」と話します。
このように、配送品や天候によって車両を使い分ける柔軟な運用が、顧客満足と効率化の両立につながるといえます。
Amazon・楽天の委託契約での条件
Amazon Flexや楽天エクスプレスなどの契約では、車両の種類が明確に定められている場合があります。たとえばAmazonでは「密閉型軽貨物車両であること」と明記されています。
したがって、委託契約で配達を行いたい場合は、事前に規約や募集要項を確認し、対応可能な車両を準備することが必要です。軽トラでは不可のケースもあるため注意しましょう。
まとめ：軽トラでの配達は条件次第で可能
軽トラックで楽天市場やAmazonの商品を荷台に載せて配達することは、法律的に可能な場合がありますが、「貨物軽自動車運送事業の届出」が必要です。また、荷物保護や委託契約の条件を考慮すると、密閉型の車両（軽バンなど）が現実的な選択肢となることが多いです。
配達を始めたい方は、国土交通省の公式ページを確認し、事前準備をしっかり整えてスタートしましょう。