任意整理後の支払いが遅れた場合のリスクと対処法|月内入金や連続遅延の影響を解説

任意整理後に和解が成立したあとも、返済が継続できるか不安に感じる方は少なくありません。特に「今月は支払いが厳しい」「1ヶ月だけ遅れても大丈夫か?」といった悩みは多く見られます。この記事では、任意整理後の返済が遅れた場合に生じる影響と、その対処法について詳しく解説します。

任意整理後の返済は原則として和解書どおり

任意整理後の返済は、債権者との間で取り交わした和解契約書に記載されたとおりに履行する義務があります。支払期日や金額が明記されており、たとえば「毎月10日に1万円支払う」など具体的です。

この約束を守れない場合、債権者は一括請求や遅延損害金の請求、さらには強制執行を行う可能性もあるため、原則として期日通りの支払いが求められます。

1ヶ月の遅れでも「即アウト」ではないが要注意

実務上、1ヶ月以内の遅れであっても即座に法的手続きに移行されることは少ないですが、これはあくまでも「債権者の裁量」によるものであり、保証されているわけではありません。月内であっても遅延が発生すれば、和解違反と見なされるリスクはあります。

特に問題となるのは「連続して遅れる」場合です。1ヶ月だけの遅れなら柔軟に対応してくれる債権者もいますが、2回以上続くと契約解除の対象になりかねません。

「2回連続」は和解解除リスクの分岐点

多くの和解契約では、「2回以上の遅延があった場合、残債務を一括で請求できる」とする条項が盛り込まれています。これは任意整理において債務者の誠実な履行が前提となっているため、債権者の信頼を失った場合に備えた条文です。

そのため「7月10日の支払いを7月31日にする」「8月10日は通常通り支払う」といったパターンでは、形式的には契約違反であっても、債権者が容認すれば継続可能なケースがあります。とはいえ、次の月に再び遅れれば「2回連続」となり、即解除されるリスクが高まります。

どうしても遅れそうなときの対処法

支払いが難しいと判断した段階で、まずは債権者に連絡を入れることが最も重要です。任意整理後に直接返済している場合、事務所を通さずとも、債権者のカスタマーサポートや回収部門に連絡を取ることが可能です。

誠実な姿勢を見せ、事情を説明したうえで「今月末までに支払う」と伝えれば、多くの債権者は一定の猶予を設けてくれます。未連絡のまま遅延すると、信用を失うだけでなく、再和解交渉の余地すらなくなります。

実例:1ヶ月遅れで継続したケース

たとえばAさんは、任意整理後に毎月10日支払いの約束をしていたが、収入の遅れにより7月10日の支払いができなかった。すぐに債権者に連絡し、7月31日に入金したところ、8月分も遅れずに支払うことができたため、特にトラブルなく継続できた。

一方でBさんは、7月分・8月分ともに支払いが遅れ、連絡もなかったため、和解契約が解除され、残債務を一括請求される事態に発展した。このように、連絡の有無と支払い状況が明暗を分けます。

支払いが困難な状態が続くなら再相談も検討を

どうしても毎月の支払いが継続できない場合、自己破産や個人再生など、別の債務整理手続を検討すべき段階に来ている可能性もあります。一度、弁護士や司法書士などの専門家に相談することで、より持続可能な解決策が見つかるかもしれません。

再整理や一部減額交渉などが可能になるケースもありますので、放置せず早期に対応することが大切です。

まとめ:1ヶ月の遅れは許容されることもあるが油断は禁物

任意整理後の返済において、1ヶ月の遅れが即時アウトになるわけではありませんが、債権者によっては厳しく対処される場合もあります。「2回連続の遅延」は契約解除リスクが一気に高まる分岐点です。万一遅れる場合は、早めの連絡と誠意ある対応が継続のカギとなります。

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