横断歩道上の自転車と車の衝突事故で信号無視が関係した場合の過失割合と法的責任とは

信号機のある交差点で、自転車が赤信号にもかかわらず横断歩道を渡り、車両と衝突する事故が発生した場合、加害者は誰なのか、また過失割合はどうなるのか、交通事故に関する法的な知識が必要となります。本記事では、信号無視の自転車と車の事故の構造、逃げた車の法的責任、自転車側の過失割合などを丁寧に解説します。

信号無視をした自転車と車の事故:基本構図

自転車が赤信号で横断歩道を渡った場合、自転車側が明確に信号無視という違反をしていることになります。したがって、事故の発端としては自転車側に過失があるとされる可能性が高いです。

ただし、自転車と車の事故においては「弱者保護の原則」が考慮されることがあり、自転車が重大な信号違反をしていても、車両側に安全運転義務(道路交通法第70条)違反が認定されれば、一定の過失が車側にも問われる場合があります。

車両がその場から逃げた場合の法的責任

車両が事故後に現場から立ち去った場合、「ひき逃げ」に該当する可能性があります。これは刑事罰として重く扱われ、道路交通法第72条の「事故時の措置」違反や、救護義務違反などが問われることになります。

逃走したという事実は、過失割合以前に重大な違法行為であり、警察に通報すれば刑事事件として捜査されます。また、ひき逃げと判断されれば、加害者には最長10年の懲役刑や罰金刑が科される可能性もあります。

過失割合の目安:信号無視の自転車 vs 直進車

東京地裁などの判例集や損害保険各社の資料によると、信号無視をした自転車が横断歩道上で車と衝突した場合の過失割合は「自転車:車=80:20」または「70:30」程度となるケースが多いです。

つまり、自転車の信号無視は重い過失とされる一方で、車にも「注意義務違反」が認定される余地があるため、完全に無過失とは見なされないのが一般的です。

ドライブレコーダーやSNS投稿は証拠になるか

SNSやX(旧Twitter)などで拡散された映像や画像は、交通事故の証拠として活用できる場合があります。たとえば、当該URLの投稿(該当ポスト)に動画証拠がある場合、それをもとに捜査が進むこともあります。

また、目撃者や通行人の証言、ドライブレコーダーの映像があれば、事故の状況や過失割合の判断材料として重要です。

自転車側にも責任があるケースの注意点

自転車が加害者になる場合でも、保険の加入が義務づけられていない地域も多いため、損害賠償請求に苦労するケースがあります。万が一のために、個人賠償責任保険や自転車保険への加入は重要です。

また、信号無視などの重大違反がある場合、自転車側に重い過失が課されるため、被害者意識だけで交渉を進めてしまうと不利になることもあります。

まとめ:逃げた車の責任は重く、自転車の信号無視も重大な違反

今回のケースのように、信号無視をした自転車が横断歩道上で車と衝突し、車がその場から逃走した場合、車側にはひき逃げによる重い刑事責任が問われる一方、自転車側にも過失が発生する可能性があります。双方に一定の法的リスクが存在するため、事故後の冷静な対応と証拠の収集が極めて重要です。

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