インターネットを利用していると、「○○をクリックしただけで登録完了」「本日より料金が発生します」といった突然のメッセージに遭遇することがあります。特にYouTubeを見ている最中にこうした警告が表示された場合、驚いてしまう方も多いでしょう。しかし、これらは「ワンクリック詐欺」である可能性が極めて高く、冷静な対応が求められます。
ワンクリック詐欺とは?仕組みと特徴を知っておこう
ワンクリック詐欺とは、ユーザーが意図せずに「登録」や「契約」したことにされ、不当な料金請求を受ける詐欺行為です。クリックしただけで契約が成立することは法的に認められていないため、支払う義務は一切ありません。
こうした詐欺の特徴は次の通りです。
- 「本日より料金発生」「登録が完了しました」と表示される
- 「キャンセルは○○時間以内にこちらへ連絡を」と電話番号が記載されている
- 不安を煽る文言で即時の行動を促す
YouTubeなどの広告枠に表示される場合もありますが、動画再生中のポップアップではなく、外部のフィッシングページに飛ばされて表示されることが多いです。
クリックしただけでは契約は成立しない
日本の法律(電子契約法)においては、明確な意思表示がない限り、契約は成立しません。単に「動画を再生した」「ページを開いた」「リンクをクリックした」だけで、法的な契約が発生することはありません。
登録画面に名前や住所、クレジットカード情報などを入力していないのであれば、安心して無視して大丈夫です。
また、そうした画面で「OK」や「同意する」と書かれたボタンを押したとしても、契約の成立とはなりません。
電話連絡をするとどうなるのか
表示された電話番号に連絡をしてしまうと、詐欺業者の思うつぼです。相手は巧妙に不安を煽り、「キャンセル料が必要」「情報を確認するために名前を教えて」などと言って、個人情報や金銭を要求してきます。
一度でも通話してしまうと、電話番号が詐欺業者に認識され、再度の連絡やSMS、郵送物による請求が続く可能性もあります。絶対に電話はしないようにしましょう。
実際にあった事例とその対処法
ある40代男性は、スマートフォンでYouTube動画を見ていたところ、「本日より月額10,000円の動画サービス登録が完了しました」とのメッセージを受けました。不安になって記載された番号に電話をしたところ、「3日以内にキャンセル料3万円を振り込まなければ裁判になる」と脅されました。
しかし、冷静になって消費生活センターに相談した結果、「これは典型的なワンクリック詐欺。無視してください」と指導され、被害は防げました。このように、正しい知識と第三者への相談が大切です。
不安なときは専門機関に相談を
もし不安が拭えない場合や、個人情報を誤って送信してしまった場合は、消費者ホットライン(188)にすぐ相談しましょう。
また、スマホにセキュリティアプリを入れる、ブラウザのポップアップブロックを有効にするなどの対策も効果的です。端末の履歴をクリアし、同様のサイトにアクセスしないことも重要です。
まとめ:「請求画面」は詐欺の可能性が高い。無視と相談が最善の対処
YouTubeを見ていて表示された「今日から料金発生します」というメッセージは、ほとんどの場合ワンクリック詐欺です。個人情報を入力していなければ契約は成立していません。
電話連絡はせず、画面は閉じて無視しましょう。迷ったときは、すぐに消費生活センターなど専門機関に相談し、被害を未然に防ぐことが大切です。