交通事故後のリハビリは、長期化することも多く、特に診療報酬の制限がかかると治療内容に影響が出ることがあります。本記事では、交通事故被害者が150日を超えてもリハビリを継続できるのか、そして医療機関が説明する「150日ルール」の背景や対処法について詳しく解説します。
交通事故治療と診療報酬制度の関係
診療報酬制度では、リハビリテーションにかかる日数が制限されており、一般的に急性期のリハビリは開始から150日を超えると点数が下がる、または算定できなくなるケースがあります。
これは健康保険の制度に基づくもので、交通事故による通院でも健康保険を使っていればこの制限を受けることがあります。ただし、これはあくまでも医療機関の「保険請求」に関するルールであり、患者がリハビリを続けることを禁止するものではありません。
第三者行為届出による通院と保険扱い
相手方保険会社が治療費の支払いを打ち切った後でも、第三者行為による届出を行えば健康保険での継続通院が可能です。この届出により、健康保険組合が一時的に立替払いを行い、後日加害者に請求する仕組みです。
この制度を活用すれば、自己負担を軽減しながら治療を継続できます。ただし、150日を過ぎたリハビリについては、病院が加療の必要性をどう判断するかが大きく影響します。
150日以降のリハビリ制限とその根拠
医療機関では、「理学療法士によるリハビリ」は診療報酬上、対象期間に制限が設けられており、通常は150日を超えると1単位または物理療法(電気・温熱など)のみの対応に変更されます。
この制限は「維持期」とされる時期に該当するため、機能回復が緩やかまたは停滞していると判断されると、理学療法士の直接対応が認められにくくなります。ただし、主治医の医学的判断で延長が可能な場合もあるため、再評価を依頼してみる価値はあります。
主治医の診断と継続の必要性の主張がカギ
150日を過ぎても痛みがある、日常生活に支障があると感じる場合、主治医としっかり相談し、医学的に必要と判断されれば延長申請の余地があります。
また、医師の診断書や意見書があれば、保険者や病院にリハビリの継続を求める際の根拠になります。リハビリ内容の見直しや機械療法との併用も視野に入れましょう。
必要に応じて労災や損害賠償請求への切替も検討
交通事故の損害賠償は慰謝料や後遺障害等級にも関係します。治療が十分に行えないことで不利益を被らないよう、必要に応じて弁護士相談も検討しましょう。
弁護士費用特約を使えば自己負担なく専門家の意見を得ることができます。保険会社との交渉や後遺障害認定にもプラスに働くケースが多いため、早めの対応が重要です。
まとめ:150日以降も治療継続は可能、医師の判断と制度理解がカギ
150日ルールは診療報酬の制限に基づくものであり、リハビリを続けるか否かは医師の判断によって決まります。第三者行為届を出している場合でも、治療の必要性が医学的に認められれば、通院を継続することが可能です。
自身の状態を正しく医師に伝え、診断書や意見書を活用し、制度上の制限に柔軟に対応しましょう。必要に応じて専門家のサポートも活用することをおすすめします。