スマートフォンやSNSの普及により、LINEやメールなどでの誹謗中傷・暴言・侮辱行為が増えています。特定の相手から繰り返し攻撃を受けている場合、「これって犯罪では?」と感じる方も少なくありません。本記事では、こうした言動が法的にどのように扱われるのか、被害届は受理されるのか、処罰される可能性があるのかをわかりやすく解説します。
LINE・メールの誹謗中傷は何罪に該当する?
ネット上やSNSでの誹謗中傷も、一定の条件を満たせば犯罪と見なされます。LINEやメールも例外ではなく、主に以下の罪に該当する可能性があります。
- 侮辱罪(刑法231条):社会的評価を低下させるような発言(例:「バカ」「無能」など)
- 名誉毀損罪(刑法230条):具体的な事実を示し、その人の社会的評価を下げる発言(例:「不倫している」「会社で横領した」など)
- 脅迫罪(刑法222条):相手を畏怖させる発言(例:「殺してやる」「住所をバラすぞ」など)
- 威力業務妨害罪(刑法234条):継続的な暴言によって仕事に支障を与えた場合
重要なのは、証拠の有無です。これらの罪が成立するには、言動を裏付ける証拠が必要です。
被害届を出す際に必要な証拠とは?
警察に被害届を提出するには、発言内容ややり取りの証拠を明確に提示する必要があります。証拠として有効なものには以下のようなものがあります。
- LINEやメールの画面のスクリーンショット
- メッセージのログや転送履歴
- 継続的な被害の時系列メモ
- 通話内容を録音していた場合、その録音データ
特にLINEは消えてしまうことがあるため、被害が続いている場合は即時スクショ保存が鉄則です。
被害届は受理される?その後の流れは?
誹謗中傷や侮辱の内容が客観的に確認できる場合、警察が被害届を受理するケースもあります。ただし、内容が曖昧・一過性・感情的なものだけの場合は、「民事トラブル」として処理される可能性もあります。
被害届が受理されれば、警察が捜査に着手し、発信者の特定・事情聴取などが行われます。状況次第では「書類送検」や「略式起訴」など、刑事処分に至ることもあります。
刑事処分以外の選択肢:民事訴訟・示談交渉
刑事処分に至らない場合でも、民事上の損害賠償請求(慰謝料請求)を行うことができます。この場合も証拠が重要です。発信者を特定し、訴訟や内容証明郵便での警告を行うのが一般的です。
また、最近では弁護士が代理で相手に警告文を送る「警告書サービス」などもあり、法的圧力を与えることで相手の行為を止めさせることが可能です。
相手に処罰を下すには冷静かつ戦略的な対応を
感情的になってすぐに被害届を出すのではなく、証拠を揃え、状況を整理し、警察や弁護士に相談することが大切です。中には警察が動かないケースもありますが、粘り強く対応すれば相手の行動を止められる可能性は十分あります。
無料法律相談や法テラスの活用も視野に入れ、正当な手続きで相手に責任を取らせる姿勢が重要です。
まとめ:誹謗中傷は許されない。記録と証拠で法的に対処を
LINEやメールでの誹謗中傷・暴言は、刑法上の犯罪となり得ます。被害届が受理されるかどうかは証拠の内容次第ですが、明らかな悪質行為がある場合は処罰の可能性も十分あります。
いずれにしても、証拠の保存・冷静な判断・専門家への相談が、相手に正しく対処するための第一歩です。言葉の暴力に悩む方は、一人で抱え込まず、専門機関へ相談しましょう。