自転車と自動車の事故が発生した場合、過失割合や損害の程度によって補償の内容や示談金が大きく異なります。特にケガが軽微または無かった場合、保険会社から提示される示談金が少額にとどまるケースも少なくありません。本記事では、自転車と車の交通事故における過失割合、示談金の妥当性、そして損害賠償交渉のポイントについて、8年前の実例を交えて解説します。
自転車と車の事故における過失割合の一般的な基準
日本における交通事故の過失割合は、事故の状況に応じて判例をもとに判断されます。青信号直進の自転車と、左折する車両の事故では、基本的には車の方が高い過失とされる傾向があります。
たとえば「自転車直進：車左折」のケースでは、自転車2：車8という割合が示されることが多く、これに信号遵守やスピード、進入角度などの個別事情が加味されます。
示談金5,000円は妥当だったのか？
事故後の病院通院が1回で済み、後遺症もなく通院継続も不要だった場合、示談金が数千円程度となるのは珍しくありません。これは、損害賠償金のうち「慰謝料」に相当する部分が非常に少ないからです。
交通事故の慰謝料は主に通院日数や治療期間によって決まり、1日あたり4,200円〜8,600円程度が目安です。今回のように実質的な損害が検査費用のみであった場合、示談金5,000円前後は保険会社の提示額としてよくある水準です。
相手が謝罪や連絡をしないのは問題？
事故の加害者が直接謝罪や連絡をしないケースは多々あります。保険会社に事故処理を一任することが一般的で、加害者自身が謝罪に訪れる法的義務はありません。
ただし、被害者感情としては納得しがたいこともあるため、精神的苦痛に対する慰謝料として、交渉で上乗せを求めることも可能でした。もっとも、すでに示談が成立している場合は後から請求を覆すのは困難です。
示談書にサインする前に確認すべきポイント
- 通院や診察が今後必要になる可能性があるか？
- 示談内容に「後遺症が発覚しても一切請求しない」などの文言がないか？
- 保険会社の提示額が損害と釣り合っているか？
上記のような点を十分に確認せずに示談に応じてしまうと、後から治療が必要になった場合でも補償を受けられないリスクがあります。
事故から時間が経っている場合の対応
すでに8年以上が経過している場合、損害賠償請求は時効にかかっている可能性が高いです。交通事故における損害賠償請求の時効は基本的に3年です（民法第724条）。
したがって、今から追加請求をすることは現実的ではなく、当時の判断を「妥当だったか」という視点で振り返ることが中心となります。
まとめ：示談金の金額は損害内容と通院実績による
自転車と車の事故で、通院が1回で済み、後遺症もないケースにおいて、示談金5,000円というのは保険実務上ではよくある金額です。金額だけを見ると少ないように感じられますが、実際の損害内容を考慮すると妥当性はあります。
今後のために、交通事故に遭った際は示談前に内容をよく確認し、必要であれば弁護士や交通事故相談センターに相談することをおすすめします。納得いく解決を目指すためにも、冷静な判断と正しい知識が重要です。