相続の問題はとてもデリケートで複雑なテーマですが、法律上は明確なルールが存在します。この記事では、「認知した子が亡くなった場合に、父親に相続権があるのか?」という観点から、関連する相続の基本的な仕組みを解説していきます。
認知された子にも相続権がある
まず前提として、法律上「認知された子」は嫡出子とほぼ同等の相続権を持ちます。つまり、父親が死亡した場合には他の子どもと同様に相続人となります。
逆に、認知された子が亡くなった場合、その子の遺産についても通常通りの法定相続が適用されます。
子が亡くなった場合の相続順位
子が独身で子どもも配偶者もいない場合、相続権を持つのは親です。民法では、配偶者→子→親→兄弟姉妹という順に相続順位が定められています。
したがって、認知された子に母親・兄弟姉妹がいない場合、認知した父親が相続人となる可能性があります。
実際に父親が相続人になる条件
ただし、父親が相続人となるにはいくつかの条件が満たされている必要があります。まず、その子が亡くなった時点で父子関係が法的に認められている(認知済み)こと。
さらに、母親がすでに死亡しているか、相続を放棄していれば、父親が単独または他の兄弟姉妹とともに相続する形になります。
遺言の有無も確認しよう
亡くなった方が遺言書を残していた場合は、遺言の内容が優先されます。たとえ法定相続人であっても、遺言で他人にすべての財産を譲る旨が記されていれば、その内容に従う必要があります。
ただし、一定の法定相続人(直系尊属など)には「遺留分」という最低限の取り分が保障されています。
事例:認知した父親が相続したケース
例えば、20代で病死した男性が、未婚・子どもなし・母親も死亡という状況で、唯一認知した父親がいた場合、結果として父親が全財産を相続したというケースも実際にあります。
このように、相続は家族構成や生前の状況によって大きく結果が異なります。
まとめ:認知と相続の関係を正しく理解しよう
認知された子が亡くなった場合、法的に父親との親子関係が成立していれば、父親が相続人となる可能性は十分あります。遺言書の有無、他の親族の有無などにもよりますが、相続順位としては「親」が上位にくるためです。
相続に関する判断は専門知識が必要な場合が多いため、不安な点があれば司法書士や弁護士などの専門家への相談をおすすめします。