店舗出口から出た車と道路を走るバイクが事故した場合の過失割合と事故分類のポイント

飲食店やコンビニなどの店舗から車が出てきた際、一般道を直進中のバイクと接触する事故は少なくありません。このような事故は「交差点事故」と分類されるのか、また双方の過失割合はどう判断されるのでしょうか。本記事では、事故の法的分類や典型的な過失割合の考え方を、実例とともに解説します。

店の敷地から出てきた車との接触事故は「交差点事故」か?

結論から言えば、店舗の駐車場出口と公道の接続部分は「交差点」には該当しません。法律上の「交差点」は、公道同士が交差または合流する場所を指します。したがって、コンビニなどの私有地から出てきた車が原因となる事故は「交差点事故」ではなく、道路外出入事故(道路外進出事故)と分類されます

この分類は、事故処理・過失割合の判断・保険金の支払いに大きな影響を及ぼします。

道路外から出てきた車との事故での基本過失割合

道路交通法では、道路に進入しようとする車両は、通行中の車両に進路を譲る義務があります。そのため、基本的な過失割合は以下のようになります。

加害者 被害者 基本過失割合
駐車場から出た車 直進中のバイク 80:20

ただし、これはあくまで基準であり、バイクのスピード、注意義務、道路状況、ライト点灯の有無などによって調整されることがあります。

過失割合が変動する主な要因

  • バイクの法定速度超過:10%加算されることも
  • 車の一時停止違反:さらに加算され90:10になる可能性
  • 夜間や悪天候:お互いの視認性を考慮して修正される
  • 見通しの悪さやブラインドコーナー:安全確認義務の評価が加わる

特に夜間や雨天でライトを点灯していなかったバイクなどは、被害者側にも一定の注意義務違反が問われる場合があります。

実例紹介:店舗前の事故で争われたケース

あるコンビニから車が出ようとしたところ、走行中のバイクと接触。ドライブレコーダーには、バイクが法定速度を大きく上回って直進している映像が残されていました。この結果、基本過失割合80:20から、車70:バイク30に修正された判例があります。

このように、当事者の走行状況や証拠(ドラレコ、目撃証言など)が大きく影響します。

保険対応と警察への届け出は必須

事故が発生した際は、たとえ軽微であっても必ず警察に届け出ることが重要です。事故証明がないと保険が適用されない場合があります。

また、ドライブレコーダーや現場写真を保管しておくことで、相手の主張が変わった場合の証拠として有効に働きます。

まとめ

店舗から出てきた車と直進中のバイクが接触した場合、その事故は「交差点事故」ではなく「道路外出入事故」となり、基本的には店舗側の車に80%の過失が問われます。ただし、道路状況や双方の運転態度により調整されるため、事故時の対応と証拠の確保が非常に重要です。

適切な過失割合を主張するためにも、事故直後は冷静に行動し、警察・保険会社に正確な情報を伝えるようにしましょう。

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