交通事故によって負った怪我が原因で、その後日常生活や通院中に別の事故や怪我が発生した場合、その新たな損害は加害者に請求できるのでしょうか?たとえば、背骨の骨折で通院していた方が、痛みによって転倒し別部位を骨折した場合、その二次的な骨折も法的補償の対象となるかについて詳しく解説します。
交通事故による損害賠償の範囲とは
損害賠償請求の根拠は民法709条の不法行為に基づきます。これは、加害者の行為と損害との間に「相当因果関係」がある場合に成立します。
そのため、事故による怪我が主因となって発生した2次的な損害であれば、その因果関係が認められ、補償の対象になり得ます。
「相当因果関係」がカギを握る
2回目の骨折が、たとえば通院中の痛みによる転倒で起きたのであれば、医学的・客観的にそれが事故による影響と証明できる場合、損害賠償請求の対象となることがあります。
過去の裁判例でも、交通事故によって身体機能が低下し、転倒・再骨折した事例において「相当因果関係」が認められたケースが存在します。
必要な証拠と書類
以下のような証拠や書類があると、2次骨折の補償を請求しやすくなります:
- 主治医による診断書や転倒との関連性の意見書
- 事故直後からの通院記録や画像診断資料
- 転倒状況の説明や証言(例:家族・同行者の証言)
医師が「痛みによって転倒が起きた」と明言してくれることが重要です。
入院が必要になった場合の追加補償
2回目の骨折による入院費用や休業損害、看護費、通院交通費なども、加害者側へ請求可能になる可能性があります。
また、慰謝料も事故との相当因果関係が認められれば、加算対象になります。
たとえば、1回目の事故による治療が長引き、その結果として転倒・骨折が生じたとすれば、治療の一連性も考慮され、全体の賠償に含めて請求できます。
保険会社との交渉に注意が必要
多くの場合、加害者側の任意保険会社は2回目の骨折に対する補償を渋る傾向があります。理由は「新たな事故」と主張することで支払責任を減らそうとするためです。
このようなケースでは、法律の専門家である交通事故専門の弁護士に相談することで、スムーズに補償交渉を進められることがあります。
まとめ:因果関係と証明次第で補償対象に
交通事故が原因で二次的な怪我が生じた場合でも、法律上は「相当因果関係」が認められれば補償対象になります。とくに通院中の転倒などは比較的認められやすい例です。
大切なのは、医師の意見書や通院記録をきちんと整備し、因果関係を明確にしておくことです。専門家の助けを得ながら、適正な補償を受けられるよう準備しましょう。