プロパンガスの供給契約において、「保証金」という制度があることをご存知でしょうか。滞納によってガスが停止された際に保証金を請求されるケースも多く、これがなぜ必要なのか、どのような仕組みなのか疑問に感じる方も少なくありません。この記事では、プロパンガスの保証金制度の実態と、再開時の支払い義務について詳しく解説します。
プロパンガス契約における保証金とは
保証金とは、ガス会社と契約者の間で結ばれる供給契約において、将来の債務不履行(滞納等)に備えてあらかじめ預けるお金のことです。この金額は契約時やガス再開時に徴収されることがあり、多くの場合5,000円程度が相場です。
法律で定められている制度ではなく、各ガス会社が自主的に設定している規定であり、支払いの要否や金額は事業者によって異なります。
保証金は滞納時に充当されるのか
基本的に、保証金はガス料金の支払いに充当されることはありません。これは、契約解除や退去時などに未払いがある場合にそれを補填する目的で使用されるからです。従って、滞納が発生した際には、保証金とは別に滞納額の支払いが求められます。
このため、再度滞納してガスが停止された場合、再開のためには改めて保証金を追加で支払うよう求められることがあります。
保証金が繰り返し発生する理由
一度ガスを止められた場合、供給会社としては再度の滞納リスクを想定するため、保証金を設定してリスクヘッジします。また、支払い実績が不安定と見なされた場合、毎回再開時に保証金の追加を求められることも珍しくありません。
この保証金は、あくまでも将来的な債務履行を担保する意味で保管されるもので、滞納金の肩代わりではない点に注意が必要です。
納得がいかないときの対応方法
契約内容や保証金の規定は、ガス会社の供給約款に明記されているはずです。不明確な場合は、契約書や約款の開示を求めることが可能です。内容に不備や一方的な変更が認められる場合、公正取引委員会や消費生活センターに相談することも検討しましょう。
また、ガス自由化により他社への乗り換えも選択肢のひとつです。ただし、地域や建物の設備事情によっては選べないこともあるため、事前確認が必要です。
実際の事例:保証金と再開費用を巡るトラブル
ある契約者は、過去に一度滞納でガスが停止された際、保証金なしで再開された経験があったにもかかわらず、今回の滞納では保証金5,000円の支払いが求められました。ガス会社側は「再発防止のため」と説明し、退去時まで返金されないと通知。
このように、同じガス会社でも過去と対応が異なる場合があります。会社方針の変更や、支払い状況の履歴によって対応が変わる可能性があることを理解しておきましょう。
まとめ:保証金制度を正しく理解し、トラブルを防ごう
プロパンガスの保証金制度は、契約者の支払い能力や支払履歴を踏まえて設定される事が多く、必ずしも一律ではありません。保証金が支払いに充てられない理由や、再開時の追加請求の背景には、供給会社のリスク管理の側面があります。
納得がいかない場合は契約内容を確認し、必要に応じて第三者機関への相談や他社への乗り換えも検討すると良いでしょう。