近年、SNSの普及によりプライバシー侵害や肖像権の問題が社会的な課題となっています。特に、本人や保護者の許可なく未成年者の写真が公開されるケースでは、精神的苦痛や名誉毀損の観点から法的な対処が必要になることがあります。
SNSで無断掲載された写真が肖像権侵害になるケース
肖像権とは、本人の許可なく写真や映像を公開・利用されない権利を指します。未成年者の写真が本人や保護者の同意なしにTikTokなどのSNSにアップされた場合、たとえ善意であっても肖像権侵害に該当する可能性があります。
とくに顔が明瞭に映っている写真、過去のプライベートな写真である場合などは、プライバシーの侵害として問題視されやすくなります。
損害賠償請求の根拠となる法律
損害賠償を請求する場合、民法709条の「不法行為」に基づく請求が可能です。精神的苦痛を受けたことを証明することで、慰謝料の請求が成立することがあります。また、名誉毀損が認められる場合にはより強い法的主張が可能です。
判例でも、未成年の写真が無断で掲載されたことによって数十万円規模の慰謝料が認められた事例があります。
具体的な対応手順と証拠の確保
まず行うべきは、証拠の保存です。該当するTikTok投稿のスクリーンショット、動画のURL、閲覧数などを記録し、時系列をまとめておくと有利です。
その後、投稿者に対して削除要請を行い、応じない場合はTikTokの運営に通報することが可能です。それでも対応が得られない場合は、弁護士を通じて削除請求・損害賠償請求を行うのが現実的な流れです。
未成年であっても同意なしの掲載は違法の可能性
「昔の写真だから問題ない」「親族だから許される」という誤解もありますが、たとえ親戚であっても、本人や親権者の同意なしで公開する行為は原則として違法とされます。
また、被写体が18歳になっている現在では本人の意思も尊重されるべきであり、本人が不快に感じている旨を示せば、削除や賠償請求の正当性が高まります。
弁護士への相談でスムーズな解決を
このような肖像権やプライバシーに関する問題は、民事訴訟に発展する可能性もあるため、早めに弁護士に相談することをおすすめします。弁護士ドットコムや法テラスなどでは、無料相談を受け付けている場合もあります。
特にSNS上での拡散による影響は大きく、迅速な対応が被害拡大を防ぐ鍵となります。
まとめ:未成年の写真を無断でSNSに掲載されたら
未成年者の写真を同意なくSNSに掲載する行為は、肖像権・プライバシー権の侵害に該当する可能性があります。証拠を集めた上で、まずは削除要請と運営への通報を行い、それでも改善されない場合は法的措置を検討しましょう。
損害賠償の請求には専門家のアドバイスが重要ですので、弁護士に相談し、家族と協力して早期の対応を進めることが大切です。