裁判を弁護士に依頼した場合、判決や決定などの重要書類は裁判所から直接弁護士に送付されます。では、それらの書類は依頼者自身にも手に入るのでしょうか?ここでは、弁護士と裁判所の書類の流れ、依頼者が知っておくべき基本情報について解説します。
裁判所の書類は基本的に「訴訟代理人」である弁護士に送付される
裁判を弁護士に依頼した場合、裁判所とのやり取りはすべて弁護士を通じて行われます。判決文や和解調書、証拠開示などの書類も、裁判所から直接弁護士の事務所に届くのが通常の流れです。
これは弁護士が「訴訟代理人」として法的手続きを行う立場にあるためであり、依頼者本人が裁判所から直接書類を受け取ることは基本的にありません。
弁護士から依頼者への書類提供は義務か?
法律上、弁護士は依頼者に対し、訴訟の経過や結果について報告する義務があります。そのため、重要な書類(判決、和解内容、調停条項など)は原則として依頼者に写しが提供されます。
ただし、書類の原本が必要な場合や、公的機関への提出が必要な際は、その旨を弁護士に明確に伝えましょう。
万が一、書類が渡されなかった場合の対処法
万が一、判決や調停内容などの書類が依頼者に渡されていない場合、まずは依頼した弁護士に確認してください。それでも対応が不十分な場合は、各地の弁護士会に相談することで、解決の糸口が見つかることもあります。
また、弁護士との委任契約書に「資料はすべて交付される」といった記載がある場合は、それに基づき請求することが可能です。
判決書などの写しを追加で取得したい場合の手続き
弁護士が書類の原本を保持している場合でも、本人確認の上で写しを請求すれば、多くの事務所では対応してもらえます。
もし、弁護士との契約が終了していて連絡が難しい場合は、裁判所に「判決謄本交付申請」を行えば、自身で入手することも可能です。ただし、身分証や事件番号などが必要になることがあります。
まとめ:依頼者の正当な知る権利を大切に
弁護士に裁判を依頼した場合でも、依頼者には訴訟の内容や結論を正確に知る権利があります。裁判所からの書類は一旦弁護士に届きますが、それはあくまで代理人を通じた形式であり、依頼者に伝えられるべき内容です。
必要な書類が手元に届かない、または内容がわからないという場合は、遠慮なく弁護士に問い合わせるとよいでしょう。自身の訴訟の記録を正しく保管することは、将来的な手続きにも役立ちます。