近年、フリマアプリやネットオークションを利用して不用品を売る人が増えていますが、「古物商許可」はいつ必要になるのか迷う方も多いはず。この記事では、おもちゃやグッズをリサイクルショップで購入したあとに売る場合に古物商許可が必要かどうかを、具体例とともに丁寧に解説します。
古物商許可とは?何を目的とした制度か
古物商許可とは、中古品(古物)を仕入れて販売する際に必要となる公安委員会発行の許可です。目的は、盗品や犯罪に関わる品の流通を防ぐために取引の履歴を明確にすることです。
たとえばリサイクルショップ、質屋、中古車販売業者などはすべて古物商許可を取得したうえで営業しています。
家庭内の整理目的なら基本的に不要
自宅で使用していた品物を不要になって処分する目的で売る場合、古物商許可は不要とされています。これは営利を目的としない「自己使用後の処分」と見なされるためです。
たとえば次のようなケースでは許可は不要です。
- ①こどもが遊んだあとのおもちゃをフリマで売却
- ②こどもが興味を持たず保管していた品を売却
- ③自分の趣味として飾っていたフィギュアを出品
グレーゾーンになりやすいパターン
一方、仕入れた商品から不要分を抜き出して売る、売却益を目的として頻繁に売買を繰り返す場合などは「営利性」が疑われるため、古物商許可が必要になる可能性があります。
④のようにジャンク品セットから自分の欲しいものだけを取り、残りを売却する行為も、回数が多かったり、繰り返し同様の行為をしていると、業として見なされるリスクがあります。
売却額が高いと違法になるの?
たとえ購入価格より売却価格が高くなったとしても、それだけで違法になるわけではありません。重要なのは「反復・継続・利益目的」で行っているかどうかです。
一度や二度の取引や、たまたま高値で売れたという程度であれば、古物商許可がなくても問題になることは基本的にありません。
もし無許可で業として取引していたらどうなる?
古物商許可が必要な取引を無許可で続けていた場合、「無許可営業」として処罰される可能性があります。これは古物営業法違反にあたり、3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されることがあります。
ただし、実際には悪質な反復・継続的な取引でなければ、初回から摘発されることは少なく、指導や注意にとどまるケースが多いです。
安心してフリマを楽しむためのポイント
家庭内で不要になった品を時々出品する程度であれば、古物商許可は不要とされています。気をつけるべきポイントは以下の通りです。
- ・明らかに仕入れ目的での購入を繰り返さない
- ・同一カテゴリの商品を高頻度で出品しない
- ・営業と見なされる行為(集中的・反復的な売買)は避ける
もし不安な場合は、各都道府県の公安委員会や警察の古物担当窓口に相談するのがおすすめです。
まとめ:目的と頻度がカギ。個人取引を安心して楽しもう
フリマやオークションでの出品行為がすぐに古物商許可の対象になるわけではありません。あくまで「営利目的」「反復的に取引する」ことが条件となります。
自宅で使用していた品や、お子さんの不要品を処分するための出品であれば、多くの場合問題はありません。ルールを理解しながら、安心して取引を楽しんでいきましょう。