交通事故や不法行為などで身体が動かなくなってしまった場合、慰謝料の請求は可能ですが、「無職だから請求できないのでは?」と不安に思う方もいるかもしれません。本記事では、無職の方が負った精神的苦痛に対してどのように慰謝料が算定されるのか、1日あたりの金額の目安や注意点を解説します。
慰謝料とは?|精神的苦痛に対する賠償
慰謝料とは、被害者が受けた精神的苦痛に対して支払われる損害賠償金です。収入の有無とは基本的に無関係で、たとえ無職であっても、事故などによって日常生活に支障が出た場合は請求の対象になります。
慰謝料の算定には被害の程度や治療期間、後遺症の有無など複数の要素が考慮されます。
入通院慰謝料の相場|1日あたりの目安
無職の方に適用されやすい基準のひとつが「自賠責基準」と呼ばれるものです。これは任意保険より低額な最低ラインの基準で、1日あたりの慰謝料は原則4,300円(2024年時点)と定められています。
一方、「弁護士基準(裁判基準)」では、通院1ヶ月あたり約28万円(1日あたり約9,000円〜1万円)とされることもあり、ケースによっては高額になることもあります。
就労していない人が受け取れる他の補償
慰謝料以外に、被害によって日常生活に支障が出た場合は「休業損害」や「逸失利益」などの損害賠償が請求できる場合もあります。
無職の方でも、主婦や家事従事者、就職活動中などの立場であれば、家事労働の価値や将来的な労働能力の喪失として損害を認められることがあります。
示談交渉は慎重に|相場より低く提示されることも
保険会社から提示される慰謝料は「自賠責基準」であることが多く、実際より低い金額になる可能性があります。特に無職の方は過小評価されやすいため、弁護士に相談して「裁判基準」での交渉を目指すのが得策です。
無料の法律相談や弁護士費用特約を活用することで、費用の不安も軽減できます。
慰謝料の請求に必要な証拠や書類
慰謝料を請求するには、以下のような証拠が有効です。
- 診断書・通院記録
- 事故証明書
- 治療費の領収書
- 写真や日記などの被害記録
また、事故や怪我によりどのように生活が制限されたかを具体的にメモしておくことも、精神的苦痛の根拠になります。
まとめ|無職でも慰謝料は認められる可能性が高い
動けなくなったことによる精神的苦痛に対して、たとえ無職であっても慰謝料を請求する権利は十分にあります。1日あたりの金額は基準により異なりますが、内容によっては数千円〜1万円程度となるケースも多く見られます。
過少な提示を受けた場合は、弁護士への相談を通じて適切な補償を得ることが重要です。泣き寝入りせず、正当な権利を主張しましょう。