日常の運転中、特に交差点では思わぬタイミングで他の車と接近し、ヒヤリとする場面があるものです。実際に接触事故にはならなくても、「今のは自分が悪かったのか?」と不安に感じる方も多いでしょう。この記事では、交差点での優先関係と事故未遂時の過失の考え方について解説します。
交差点での基本的な優先関係をおさらい
道路交通法では、交差点での進行には明確な優先順位があります。もっとも基本的なルールとして、「優先道路を通行する車が優先」されます。つまり、優先道路を直進している車に対して、側道や非優先道路からの進入車は、必ず一時停止または減速し、安全確認をする義務があります。
また、信号のない交差点では「左方優先の原則」もあります。ただし、これはあくまで両者が同等な条件の場合に適用され、優先道路がある場合はそちらが優先です。
ぶつかっていなくても過失になる可能性は?
接触事故が起きていない限り、原則として「事故」扱いにはなりません。ただし、回避行動による二次被害(たとえば急ブレーキで後続車に追突された等)があれば話は別です。
今回のように、ぶつかりそうになったけれど回避したケースでは、ドライブレコーダーの映像などがあれば「どちらに非があったか」を自分自身で確認することも可能です。また、ぶつからなかったとしても、危険運転として通報された場合には警察による事情聴取や注意喚起がなされることもあります。
「優先道路にいたのに…」という運転者が注意すべき点
たとえ優先道路を走行していたとしても、「安全運転義務違反」を問われる可能性はあります。道路交通法第70条には「車両等の運転者は、他人に危害を及ぼさないように運転しなければならない」と規定されているためです。
特に交差点では、「まさか止まらないだろう」と思い込むのではなく、徐行や注視が求められます。たとえ相手に過失があっても、自分にも「危険予測が不十分」と見なされるケースもあります。
トラブルを避けるために心がけたい対処法
- ドライブレコーダーの常時録画を行い、万一の際に証拠を残す
- ぶつかっていない場合でも、近くに停車して相手の様子を確認するのは適切
- 相手の運転が危険だと感じた場合は、警察の交通相談窓口に情報提供を検討
また、今回のように「不安に感じたが事故にはなっていない」場合、JAFの無料相談や地域の警察署での口頭相談も役立ちます。
まとめ:事故がなかったからこそ、今後に活かす意識を
優先道路を走っていても、事故回避の責任はすべてのドライバーにあります。今回のように接触がなかったケースでは、自身の対応は適切だったと評価できます。
ただし「相手が悪いのだから大丈夫」という意識ではなく、「常に最悪の事態を予測して運転する」という姿勢が重要です。今後も安全運転を心がけ、同様の場面で冷静な判断ができるよう備えておきましょう。