一般人が万引き犯を取り押さえる行為は違法?威力業務妨害との関係をわかりやすく解説

買い物中に万引きを目撃し、勇気を出して犯人を取り押さえる…そんな場面に遭遇したとき、「これって警察の仕事を奪うことになるのでは?」と不安になる人もいるかもしれません。この記事では、一般市民が現行犯を取り押さえることの合法性と、威力業務妨害罪との関係について法律的に解説します。

現行犯逮捕は一般人でも可能

刑事訴訟法第213条により、現行犯人であれば一般人でも逮捕することが認められています。つまり、万引きの現場を目撃し、その直後に行動を起こすことで法的に問題なく犯人を取り押さえることができます。

このような行為は「私人による現行犯逮捕」と呼ばれ、店員や通行人が協力して万引き犯を確保することは、正当な手続きの一部とされています。

威力業務妨害にはあたらないのか?

威力業務妨害罪(刑法第234条)は、「威力を用いて他人の業務を妨害した者」に適用される犯罪です。しかし、現行犯を適切に制止する行為は妨害ではなく、法的な秩序回復のための協力行為と見なされるため、この罪には通常該当しません。

ただし、相手に不必要な暴力を加えたり、過度に取り押さえてけがを負わせた場合は、別の罪(例えば傷害罪)に問われることもあります。

実際にあったケース:万引き犯を追った一般人が評価された事例

あるスーパーで万引きを目撃した買い物客が犯人を追跡して取り押さえ、通報によって警察に引き渡したという事例では、警察や店から感謝される結果となりました。このように正当な手続きに則って行動すれば、市民として社会に貢献することにも繋がります。

ただし、自己の安全確保が最優先です。単独での追跡は避け、周囲に助けを求めるのが望ましいです。

取り押さえるときの注意点

  • 必ず「現行犯」であることを確認する
  • 暴力ではなく声かけや制止に努める
  • 可能な限り第三者(店員・他の客・警備員など)に協力を仰ぐ
  • 速やかに警察へ通報する

これらを守れば、正当な現行犯逮捕として適法な行為と評価される可能性が高くなります。

間違った対応がトラブルを招くことも

仮に勘違いで無実の人を取り押さえてしまった場合は、逆に名誉毀損や不当拘束などの問題に発展するリスクもあります。明確な証拠や状況判断が大切です。

また、取り押さえる行為が過度になると、過剰防衛や暴行に該当するおそれもあるため、冷静な行動を心がけましょう。

まとめ|市民による正しい現行犯逮捕は違法ではない

一般人が万引きを目撃し、現行犯として適切に取り押さえる行為は違法ではなく、威力業務妨害にも該当しません。ただし、取り押さえ方やその後の対応を誤るとトラブルにつながるため、慎重な行動と迅速な通報が重要です。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール