カスタマーサポートへの通話が有料?苦情処理と通話料の不合理を考える

商品やサービスに不備があった際、企業に問い合わせや苦情を入れるのは当然の行動です。しかし、そこで発生する通話料が高額になるケースがあることに、疑問や不満を感じたことはないでしょうか。本記事では、なぜ苦情処理のために消費者が通話料を負担しなければならないのか、背景や実態、そして回避策について解説します。

なぜ有料の問い合わせ窓口が存在するのか?

一部の企業では、0570などのナビダイヤルを使った有料窓口を設定しています。これは、全国どこからでも同じ番号で対応できる仕組みで、企業にとってはコールセンターの運営が効率化されるというメリットがあります。

しかしこの番号は、携帯電話からの発信だと1分あたり30円以上の通話料が発生することもあり、消費者にとっては大きな負担となります。

苦情処理における「費用負担の逆転現象」

本来、企業のサービス不備に関する問い合わせであれば、企業側が費用を負担すべきという考え方もあります。たとえば、製品不良や契約トラブルといった正当なクレームのために、ユーザーがさらに費用を払わなければならないのは、合理性を欠く仕組みです。

消費者庁も、有料窓口に対する苦情を受けて、「苦情対応は消費者の立場に立つべき」というガイドラインを公表しています。

無料で問い合わせできる代替手段を活用しよう

最近では、チャットサポート・メールフォーム・LINE公式アカウントなど、通話を使わない方法も広がっています。特にチャット形式のサポートは、待ち時間が少なく記録も残せるため、トラブル時の証拠としても有効です。

さらに、フリーダイヤル(0120番号)が別に設けられていることもあるため、公式サイトをよく確認し、ナビダイヤル以外の連絡先を探す工夫も重要です。

企業の対応姿勢を見極めるポイント

すべての企業が悪意を持って有料通話を設定しているわけではありませんが、サポート体制に誠実さが現れるのも事実です。たとえば、問い合わせの冒頭で「おかけいただいた電話は通話料がかかります」と丁寧に案内する企業もあれば、そうした説明がないまま長時間待たされる場合もあります。

誠実な企業は、苦情対応用にフリーダイヤルを分けたり、郵送や訪問による対応を選択肢に入れていたりします。

法的にはどうなっている?通話料の負担義務

日本の現行法では、通話料の負担についての明確な義務規定は存在していません。ただし、消費者契約法や景品表示法に基づく「不当表示」や「著しく不利な契約内容」に該当する場合、行政指導や是正勧告が行われるケースもあります。

もし不当に高額な通話料が発生したと感じた場合は、国民生活センターなどに相談することで、改善への糸口が見つかることもあります。

まとめ|消費者も賢く対応する時代に

企業の苦情窓口が有料であることに不満を抱くのは当然です。しかし、現時点では法的強制力に乏しいため、消費者側も「無料の手段を選ぶ」「記録を残す」「外部相談窓口を活用する」といった賢い行動が求められます。

声をあげ続けることで、将来的にはより公正なサポート体制が社会全体に広がっていくことが期待されます。

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