スマートフォンに非通知の着信があり、留守番電話に脅迫的なメッセージが残されていた場合、深刻な精神的ストレスを伴うだけでなく、刑事事件に発展する可能性もあります。こうした匿名性の高い脅迫行為に対しては、法的な手段によって発信者を特定できる場合があります。本記事では、弁護士を通じた発信者情報開示請求の流れやポイントを詳しく解説します。
非通知の電話番号でも特定できるのか?
通常、非通知の着信は通話履歴に番号が表示されないため、個人で発信者を特定するのは困難です。しかし、携帯キャリアや電話会社では発信元情報を記録しているため、裁判所を通じた手続きを経れば開示請求が可能です。
このような請求は、発信者による違法行為(脅迫や威力業務妨害など)が明白であることが前提となり、被害者が訴訟または刑事告訴を目的として行う必要があります。
発信者情報開示請求の流れ
発信者情報の開示を求めるには、まず弁護士に相談し、民事上の「発信者情報開示請求訴訟」または刑事告訴手続きに向けた準備を進めます。具体的なステップは以下の通りです。
- 弁護士による違法性の判断(録音内容の確認)
- 証拠の整理(留守電メッセージの保存・録音)
- 携帯キャリア(NTTドコモ・au・ソフトバンクなど)を相手方とした仮処分申し立て
- 裁判所が発信者情報の開示を認めた場合、キャリアから発信者情報が開示される
このような流れで、非通知であっても相手の特定に至る可能性があります。
証拠としての留守番電話メッセージの保存方法
発信者特定や告訴のためには、録音された脅迫メッセージが証拠として極めて重要です。スマートフォンの録音アプリで保存するか、ICレコーダーを使って別途録音するなど、確実な形式で保存してください。
また、録音日や受信時刻などのログも残しておくと、証拠能力が強まります。可能であれば第三者立ち合いのもとで保存作業を行うのもおすすめです。
警察への相談も同時に行うこと
脅迫に該当するメッセージ内容であれば、警察への相談が最優先です。特に、命や身体への危害を示唆する内容が含まれている場合は、刑事事件として扱われる可能性が高く、警察から通信会社に情報開示が行われることもあります。
この場合、被害届または告訴状の提出が求められることもあるため、事前に弁護士と相談しておくと安心です。
キャリア側の情報保有期間に注意
発信者情報はキャリア側で一定期間のみ保存されています。例えば、発信履歴は90日~180日で削除されることもあるため、時間が経つほど情報開示の難易度が上がります。非通知の脅迫が発生した場合は、早急に弁護士・警察への相談が不可欠です。
また、キャリアに対しては、証拠保全を目的としたデータ保存の要請を仮処分で申し立てることも可能です。
まとめ:早期対応と専門家の協力が鍵
非通知での脅迫行為に対しても、弁護士の協力を得ることで発信者を特定し、法的措置をとることは可能です。留守電の録音をしっかり保存し、できるだけ早く弁護士と警察へ相談することが、安心と安全を守るための第一歩です。泣き寝入りせず、適切な法的手段で対応しましょう。