不倫が発覚した際、当事者間で感情的なやりとりになることは避けがたいものです。しかし、慰謝料請求などを考える場合、感情ではなく法的観点から冷静に対処することが非常に重要です。本記事では、不倫相手に慰謝料を請求する際の注意点や、LINEメッセージが脅迫と見なされないための表現などを解説します。
不倫における慰謝料請求の基本とは？
不倫関係が法的に不貞行為と認定された場合、配偶者に対する裏切り行為とされ、民法709条の不法行為に基づき慰謝料を請求することが可能です。特に不倫相手が既婚者であると知っていながら関係を持っていた場合、責任はより重くなります。
請求額はケースバイケースですが、裁判例では50万円〜300万円程度が多く、婚姻年数や被害感情、不倫の期間などが考慮されます。
「お金を払って」と言ったら脅迫になるのか？
金銭を請求する際の表現次第では、民事上の「慰謝料請求」として正当な主張ができる一方、方法や言葉遣いによっては「脅迫罪」「恐喝罪」とされるリスクがあります。
例えば、「払わなければ会社にバラす」「家族に言うぞ」などの威迫的な文言を用いた場合、刑法222条または249条に抵触する可能性があります。たとえ事実であっても、目的が金銭の取得であると受け取られた場合には違法性が問われかねません。
適切なLINE文例と注意点
不倫相手とのやりとりにおいて、以下のような文言が比較的リスクが少ないとされています。
- 「これまでのやりとりについて、弁護士を通じて責任を求めるつもりです。」
- 「精神的苦痛に対する慰謝料を検討していますので、法的にご対応いただけますか？」
- 「不倫行為に関する責任を明確にするため、今後は第三者を通じてやりとりしたいです。」
ポイントは、冷静かつ客観的な表現を心がけ、「脅し」や「強要」と受け取られかねない言葉を避けることです。
弁護士を介した請求のメリット
不倫相手に慰謝料を請求する場合、最も確実かつ安全な方法は弁護士を通じて内容証明郵便を送ることです。これにより、法的根拠に基づく正式な通知となり、相手側も無視しにくくなります。
また、当事者同士のやりとりでは感情的になりがちですが、弁護士が介在することで冷静な交渉が可能になり、法的トラブルの回避にも繋がります。
妊娠中・家庭状況下での対応の考慮点
質問者のように、妊娠中かつ離婚できない事情がある場合、自身の精神的・身体的負担を最小限にしながら問題解決を図る必要があります。慰謝料の請求を検討する場合も、自己保身と将来的な生活の安定を優先するべきです。
LINEメッセージでの請求は感情的になりがちですが、可能であれば全てを記録として保存し、後日証拠として使えるように保管しましょう。なお、脅迫と受け取られる表現は、法的立場を悪くすることもあります。
まとめ：冷静に、法的根拠に基づいた対応を
不倫相手に慰謝料を求めたい場合、LINEなどで直接やりとりをする際には「冷静な文面」「感情を抑えた表現」「事実ベースの記述」が重要です。脅迫や恐喝と見なされるリスクを避けるためにも、弁護士を通じた対応が最善の選択です。
一時的な怒りに任せず、長期的な目線でご自身とご家族の安定を考慮した行動を選びましょう。正しい手順と法的知識が、結果的に最も有利な解決策に繋がります。