駐車場での事故は、低速とはいえトラブルが多く、特にお互いにバックしているケースでは過失割合の判断に悩む方も多いです。この記事では、駐車場内での接触事故における過失割合や、修理費の負担方法、ドライブレコーダーの有無による影響などについて、詳しく解説します。
バック同士の接触事故の基本的な過失割合とは
駐車場内の事故では、双方が同程度の注意義務を持っていると見なされ、基本的な過失割合は「50:50」がスタートラインとなることが一般的です。しかし、状況によって調整が入ります。
たとえば、「一方が既に停止していた」「著しく安全確認を怠った」「進行方向の優先性があった」などの事情があると、過失割合は60:40や70:30、場合によっては80:20まで変わる可能性もあります。
ドライブレコーダーの有無は過失割合に影響する?
ドライブレコーダーにより事故時の客観的な証拠が残っていると、過失割合に大きな影響を与える可能性があります。特に「相手がブレーキを踏んで止まっていた」証拠や、「こちらが後方確認をせずに動いていた」映像がある場合、保険会社が正確な判断を下しやすくなります。
逆に、相手側に証拠がない場合はこちらの主張が通りやすくなることもあります。ドライブレコーダーは自分に有利・不利の両面があるため、内容を確認したうえで保険会社に提出しましょう。
修理費の負担はどうやって計算される?
事故において双方が修理を希望した場合、過失割合に応じて相手の修理費用を一部負担することになります。以下は具体例です。
- あなたの修理費:10万円
- 相手の修理費:3万円
- 過失割合:あなた70%、相手30%
この場合、相手の3万円の修理費に対してあなたが70%=2.1万円を負担、あなたの10万円の修理費に対して相手が30%=3万円を負担します。
結果的に「相手に2.1万円支払う+相手から3万円受け取る」ため、差し引きで0.9万円を相手からもらえることになります。ただし保険を使用するか自費かにより実際の支払額は変わります。
示談での「お互い自費で修理」は合理的?
軽微な接触事故で保険を使うと、等級が下がって保険料が大幅に上がる可能性があります。そのため、過失割合にかかわらず「お互い自費で修理しましょう」と示談にするのは現実的な選択肢です。
特に双方の修理費が数万円程度であれば、保険会社を介さずに円満に解決できることも多く、保険料の増加リスクを避けるメリットがあります。ただし、正式な示談書を交わすことで後のトラブル防止につながります。
注意すべき点:過失割合と損傷の大小は無関係
自分の車の傷が大きくても、それが過失割合に影響することはありません。あくまで事故の発生状況と注意義務違反の程度が判断基準です。
例えば、大きな擦り傷があっても、自分が停止中であったなら過失はゼロになる場合もありますし、逆に傷が小さくても前方不注意なら過失が大きくなります。
まとめ:事故後は冷静な判断と記録がカギ
駐車場での接触事故では、お互いに注意義務があるため過失割合は50:50からスタートすることが多いです。ただし状況や証拠の有無によっては、7:3や8:2に変動する可能性もあります。
修理費の負担については、過失割合に基づいた負担金の計算を理解しておくと安心です。保険を使うかどうかの判断も含め、冷静に対応することが示談成功のカギとなります。