交通事故の直後は「異常なし」と思っていても、数日経ってから体の不調を感じるケースは珍しくありません。特にむちうちや軽度の頸椎捻挫などは、数日から1週間ほど遅れて症状が現れることもあります。今回は、事故から1週間後に首の痛みが出た場合の通院、病院変更、診断書、保険対応のポイントについて解説します。
事故後に遅れて出る症状はむちうちの典型例
むちうちは事故直後には無症状でも、数日経ってから痛みや可動域の制限、頭痛、吐き気などの症状が出ることがあります。これは筋肉や神経への微細な損傷が時間をかけて反応として現れるためです。
事故直後に「痛みがない」と感じていても、症状が後から出てきた場合はすぐに医療機関を受診し、症状をしっかりと伝えることが重要です。
レントゲンに異常がなくても治療・診断書は可能
医師の判断により、レントゲンやCTで骨などに異常がなくても、痛みや可動域の制限などの訴えがあれば「頸椎捻挫」などの診断を出すことは可能です。湿布や鎮痛剤の処方だけでなく、リハビリ通院の必要性があれば継続的な治療が受けられます。
診断書も、明確な症状があり医師の診断があれば発行可能です。診断書があれば人身事故への切り替えも検討でき、保険請求にも有効です。
事故から1週間後の症状申告で疑われることはある?
確かに、事故から数日以上経ってからの通院や症状申告には「因果関係が不明確」と判断されるリスクがあります。ただし、事故直後に医師の記録があり、「今は症状がないが、後日出ることもある」という説明を受けているような場合は、その流れをきちんと記録・説明すれば問題視されにくくなります。
また、保険会社もこうしたケースには慣れており、通院記録や初診時のメモがしっかりしていれば、因果関係を認めて治療費を支払うことも多いです。
別の病院への変更は原則自由だが注意点も
最初に受診した医療機関と違う病院に行くこと自体は自由です。特に通院しやすい場所や専門性の高い医師に切り替えることは、患者の当然の権利です。
ただし、保険会社には病院変更の連絡を必ず入れておくことが重要です。突然別の医療機関から診療報酬の請求が届くと、支払いを一時保留にされることがあります。
また、診断書や初診記録などを新しい病院に持参すると、症状の経過が伝わりやすく、スムーズな診療につながります。
診断書が保険対応や人身事故認定のカギになる
診断書は、保険会社への治療費請求、慰謝料算出、人身事故への切り替えなど、多くの場面で必要となる重要書類です。特に事故後数日以上経ってから通院を開始する場合は、最初の診断書の内容が補償額に直結することもあります。
接骨院や整骨院のみの通院では診断書を発行できないため、まずは医師(整形外科など)による診断を受け、保険会社にその旨を報告しましょう。
まとめ:後からの痛みも事故との因果関係は成立する
交通事故後に症状が遅れて出るのはむしろ珍しくありません。異常なしと言われたとしても、症状があれば再受診をためらう必要はなく、保険会社への説明次第で補償対象になります。
別の病院への変更も可能ですが、保険会社への連絡と診断書の取得は忘れずに。ご自身の健康を最優先にしつつ、適切な対応で安心の治療と補償を受けましょう。