短期間で物損事故を複数回起こすと、自動車保険の継続加入が難しくなるケースがあります。特に事故の内容が重大で、車両の廃車などに至った場合、保険会社から契約の継続を拒否されることもあります。しかし、車が生活に不可欠な人にとって保険加入の道を閉ざされることは大きな問題です。この記事では、保険を断られた後の対処法や加入できる可能性のある選択肢を解説します。
なぜ保険会社に断られるのか?
保険会社は契約者のリスクを基に保険料を設定しています。事故歴が短期間で複数あると、「ハイリスクドライバー」とみなされ、保険会社が契約を引き受けないことがあります。特に、次のような状況では断られる可能性が高くなります。
- 過去1年以内に2回以上の事故がある
- 保険金請求額が高額だった
- 過失割合が100%の事故を起こしている
他社で保険に入れる可能性はある
一社に断られても、他の保険会社では加入できるケースもあります。保険会社ごとにリスクの判断基準が異なるため、事故歴があっても契約を認めてくれる会社も存在します。まずは複数の保険会社に見積もりを依頼することが大切です。
また、事故リスクが高いと見なされた場合でも、「事故多発者向け」の保険プランを提供している保険会社があります。保険料は高くなりますが、どうしても車が必要な場合には現実的な選択肢になります。
「共済」や「自動車保険共済組合」の利用も検討
民間の保険会社が契約を断る場合でも、自治体や労働団体が運営する「共済保険」は比較的加入しやすい傾向があります。たとえば、全労済(こくみん共済)やJA共済などは、加入審査が比較的柔軟なため、事故歴がある方にも開かれた選択肢です。
ただし、共済も事故が続くと制限される可能性があるため、事故後すぐの加入では断られる場合もあります。
車の使用方法の見直しも重要
どうしても保険加入が難しい場合、そもそも「車が必要な生活」を見直すことも一つの選択肢です。たとえば、一定期間カーシェアリングやレンタカーを使って生活をし、その間に無事故期間を重ねてから再度保険加入を目指す方法もあります。
また、自転車や公共交通機関で代替できないかを検討するのも現実的な対処です。
今後の事故リスクを減らすために
事故の再発を防ぐために、安全運転に努めるだけでなく、ドラレコの活用や運転支援システム搭載車への買い替えも視野に入れてみましょう。事故リスクが下がれば、将来的に保険の再加入がしやすくなります。
また、一部の保険会社では「テレマティクス保険」といって、運転状況に応じて保険料を算出するタイプの保険も登場しています。これを活用することで、実績によって保険加入の幅が広がる可能性もあります。
まとめ:保険加入を諦める必要はない
事故歴があるからといって、すべての保険会社から拒否されるわけではありません。他社への相談、共済の利用、事故再発防止への取り組みなど、対策は複数あります。焦らず冷静に、可能な選択肢を一つひとつ検討することが、保険再加入の近道となるでしょう。