交通事故での怪我による自賠責保険の最低補償額とは?物損扱いでも適用される補償内容を解説

交通事故で怪我を負った場合、相手方との過失割合に関係なく、最低限の補償を受けられるのが「自賠責保険」です。特に6:4のような過失相殺がある事故では、自賠責が重要な役割を果たします。本記事では、物損事故扱いでも適用される自賠責保険の補償内容と、むちうちなどで今後の通院が見込まれるケースの補償額の目安を解説します。

自賠責保険の基本補償と対象になる費目

自賠責保険は、交通事故の被害者救済を目的として国が義務化している最低限の保険制度です。加害者側の保険から支払われ、以下のような補償が含まれます。

  • 治療費:診療費・通院交通費・入院費用など
  • 休業損害:1日あたり最大6,100円(令和5年時点)
  • 慰謝料:通院1日あたり4,300円(最大120万円まで)

これらは、人身事故として警察に届け出され、診断書の提出があることが前提ですが、事故証明と医師の診断があれば物損事故として処理されていても請求は可能です。

通院日数と金額の関係:むちうちのケース

むちうちは交通事故による怪我の中でも特に多く、長期通院が必要となることもあります。以下はよくある通院パターンに対する慰謝料と治療費の目安です。

  • 週2回×3ヶ月通院(約24回)→ 慰謝料:約103,200円
  • 週3回×6ヶ月通院(約72回)→ 慰謝料:約309,600円

これに加えて、通院交通費や休業損害などが加算されるため、全体で数十万円〜最大120万円程度が支払われる可能性があります。

休業補償の目安:自営業・主婦・学生は?

休業損害は給与所得者だけでなく、自営業者や主婦、アルバイト、学生なども対象になります。1日あたりの支払基準は職業によって異なります。

  • 会社員(証明書あり):実際の1日あたりの給与
  • 主婦・学生など:日額6,100円が基準(例外あり)

たとえば、1ヶ月仕事を休んだ場合、6,100円×30日=183,000円の補償が受けられる計算になります。

物損事故扱いのままで請求できるのか?

結論として、人身事故扱いにしなくても自賠責請求は可能です。ただし、以下の点に注意が必要です。

  • 医師による診断書(事故との因果関係があるもの)が必要
  • 事故証明書を「人身事故」への訂正が求められるケースもある
  • 保険会社に「人身扱いで対応可能か」事前に確認する

もし診断書がすでにある場合や、通院中であれば、保険会社に連絡し「自賠責による損害賠償の請求をしたい」と申し出ましょう。

後遺障害が認定された場合の追加補償

むちうちが長期化し、後遺症が残ったと判断された場合には「後遺障害等級」が認定されることで、自賠責からの追加補償が支払われます。

  • 後遺障害14級9号(頸部痛など):75万円
  • 後遺障害12級13号(神経症状):224万円

ただし、後遺障害の認定には医師の後遺障害診断書の提出が必要で、申請から結果が出るまでに数ヶ月かかることもあります。

まとめ:事故被害者が受け取れる補償の全体像

6:4の事故で被害者側であっても、自賠責保険を通じて以下のような補償を受けることができます。

  • 治療費:全額実費(120万円上限)
  • 慰謝料:通院日数×4,300円
  • 休業損害:1日最大6,100円
  • 後遺障害:75万円〜等級に応じて

人身事故として届け出していなくても、診断書があれば請求は可能です。事故後は速やかに医師の診断を受け、保険会社や弁護士に相談することで、適切な補償を確実に受けましょう。

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