インターネット上には、ワンクリック詐欺と呼ばれる悪質な手口が数多く存在します。「登録完了」と突然表示されたり、焦って退会フォームを送信した結果、個人情報を相手に渡してしまう…そんな不安を抱く方は少なくありません。この記事では、そうしたワンクリック詐欺に遭遇した際のリスクと正しい対応方法について解説します。
ワンクリック詐欺とは?
ワンクリック詐欺とは、アダルトサイトや架空請求サイトなどで、「ボタンを押しただけ」で利用契約が成立したかのように見せかけ、高額な利用料を請求する詐欺手口のことです。
登録が完了したように見える画面や、IPアドレス・端末情報などを表示し、「支払わないと訴える」などの文言で不安を煽るのが特徴です。
タップしただけで個人情報はバレるのか?
通常、サイトをタップした(アクセスした)だけで個人のメールアドレスや電話番号が取得されることはありません。これらの情報は、ユーザー自ら入力・送信しない限り、相手側には分からないのが基本です。
ただし、退会手続きとして用意されたフォームにメールアドレスや電話番号を入力して送信してしまった場合、それらの情報は詐欺業者の手に渡ることになります。
入力してしまった情報で起きうるリスク
もしもメールアドレスや電話番号を送信してしまった場合、以下のようなリスクが考えられます。
- 架空請求メールや迷惑SMSの大量送信
- 詐欺的な電話勧誘や脅迫的な連絡
- 他の詐欺グループへの情報流用
こうした連絡には一切応じず、無視するのが最も有効な対策です。支払いをしてしまうと、さらに詐欺対象として狙われやすくなります。
被害を防ぐための対策とおすすめの対応
ワンクリック詐欺のような悪質サイトに関わってしまったときは、次の対策をとることが推奨されます。
- 絶対に支払わない:民事・刑事問わず、ワンクリック詐欺の請求に法的強制力はありません。
- 個人情報を入力してしまった場合:迷惑メールのブロック設定、着信拒否、必要に応じて電話番号やメールアドレスの変更も検討を。
- 端末のセキュリティ確認:フィッシングやマルウェアの危険があるため、セキュリティアプリでスキャンを行いましょう。
- 国民生活センターなどへ相談:国民生活センターは無料で相談できます。
実際の相談事例と公的機関の見解
過去には、「動画視聴サイトにアクセスしただけで登録完了と表示され、退会申請フォームにメールアドレスを入力してしまった」といった相談が多数報告されています。
これに対し消費者庁や国民生活センターは、「利用契約は成立していないため支払い義務はない」「個人情報を入力しても連絡を無視すれば問題ない」と明確に案内しています。
まとめ:焦らず冷静な対応が大切
ワンクリック詐欺に遭遇すると不安になりがちですが、アクセスしただけで個人情報がバレることは基本的にありません。たとえメールアドレスや電話番号を入力してしまった場合でも、脅しに応じず無視することが最も効果的な対処法です。
不安が強い場合や迷った場合は、消費生活センターなどの公的機関に相談しましょう。正しい知識と冷静な判断で、被害を最小限に抑えることができます。