近年、SNSやポートフォリオサイトで作品を発表するクリエイターに対し、魅力的な報酬を提示して近づく詐欺的な依頼が増加しています。特にAIイラストを公開しているアカウントは狙われやすく、「高額で買い取る」「短納期で高報酬」という誘い文句に注意が必要です。本記事では、典型的な詐欺の手口や見分け方、対応策について詳しく解説します。
よくある詐欺依頼の特徴とは?
まず典型的な詐欺依頼には、いくつかの共通点があります。たとえば以下のような点が挙げられます。
- 最初の連絡がInstagramやX(旧Twitter)のDMで来る
- 依頼者が外国人で、不自然な日本語を使う
- 高額報酬(例:数千ドル)を提示してくる
- 支払い方法が通常とは異なる(個人の銀行員を名乗るLINEアカウントなど)
- OTP(ワンタイムパスワード)や手数料を先に支払うよう求められる
こうした要素が複数当てはまる場合、その依頼は高確率で詐欺と見て間違いありません。
実例:イラスト依頼詐欺の典型的な流れ
実際に寄せられた事例のひとつをご紹介します。あるイラスト制作者は、外国人から「あなたの作品が気に入った。仕事で使いたい」とのDMを受け取りました。
話が進むと「5000ドル支払うから5日で10枚描いてほしい」という条件が提示され、その後LINEで「知人の銀行員が支払う」と伝えられます。送金手続きの段階で「OTPの発行料を払えば振込可能」と言われ、ここで初めて詐欺と気づいたとのこと。
このように、支払い前にお金を要求される時点で危険信号です。
依頼者情報が送られてくる場合も要注意
中には「こちらが疑っている」と察知すると、依頼者の個人情報らしきもの(名前・口座・SWIFTコードなど)を提示してくるケースもあります。
しかし、これらの情報は偽造されていることが多く、信憑性はほぼありません。情報を渡されたからといって安心せず、金銭的な要求が発生した時点でやり取りを中止するのが賢明です。
被害を未然に防ぐためのポイント
- 支払いは必ず実作業前に確認し、PayPalや銀行振込など安全な方法を使う
- 依頼者の素性やSNSアカウントを徹底的に調べる
- やり取りのスクリーンショットは保存し、万が一に備える
- 不審な点があれば、SNSで同様の被害報告を検索する
- 不安な場合は信頼できる第三者や弁護士に相談する
安心してイラスト活動を続けるために
オンラインでの依頼は便利である一方、詐欺のリスクも伴います。すぐに「依頼=チャンス」と飛びつかず、一度立ち止まって冷静に判断する習慣が大切です。
特にAIイラストなどデジタルコンテンツは「複製しやすい=悪用されやすい」ため、自衛意識を高めることが安心して創作活動を続けるカギとなります。
まとめ:高額オファーには裏があることも。警戒と確認が命
今回のようなDMから始まる依頼には、高額報酬をちらつかせて信用させた上で、金銭を巻き上げるという典型的な詐欺の構造が見られます。「先に払えば送金できる」という言葉に騙されず、冷静に判断しましょう。
万が一同様のケースに遭遇した場合は、すぐにSNS運営会社へ通報し、被害が広がらないよう情報共有することも大切です。