親しい間柄でお金の貸し借りがあった場合、つい借用書を交わさないまま進んでしまうことがあります。しかし、返済が滞ったときに備えて、後からでも借用書を作成することは非常に重要です。本記事では、すでに貸したお金に対して借用書を作成する際の日付の書き方やポイントについて詳しく解説します。
借用書に記載する「借りた日付」はいつにする?
すでに複数回にわたって貸していた場合、その全ての貸付日を明記するのは現実的に難しいことがあります。この場合は、「総額として○円を借りている」ことを明確にし、借用書の作成日を「借用書を交わす日」とする方法が一般的です。
例えば「本日現在、私は○○から合計○円を借りていることを認めます」と記載すれば、過去の複数回の貸し付け分をひとまとめにできます。
借用書に記載すべき基本的な内容
- 借主・貸主の氏名と住所
- 借入額(合計金額)
- 返済期限(または分割の内容)
- 利息の有無
- 借用書の作成日
- 借主の署名・押印
なお、証拠能力を強めるために、借主の自筆での署名が推奨されます。
借用書作成時に注意したい法律上のポイント
借用書は民事上の契約証書であり、裁判などで証拠能力が重要になります。そのため、曖昧な記載や口約束に頼らず、記録に残る形で明記することが大切です。
特に返済期限を設けず「貸しっぱなし」になると、時効(消滅時効)にかかる可能性もあるため、必ず期限や返済方法を明記しましょう。
実例:口約束のみで貸していた場合の借用書対応
たとえば、以下のように記載することで後からの借用書作成に対応できます。
「私は、○○(貸主)からこれまでに貸与された金銭の合計○○円について、下記の通り返済することを約束します。返済は2025年12月末日までに完了するものとします。」
こうすることで、過去の貸付けであっても借用書としての効力が認められやすくなります。
公正証書にすることで法的効力を強化
借用書を作成するだけでは不安という方には、公証役場での公正証書作成をおすすめします。強制執行認諾条項付きの公正証書にしておけば、相手が返済しない場合に裁判なしで給与差押え等の手続きを取ることが可能になります。
まとめ:信頼関係だけに頼らず、きちんと記録を残そう
知人とのお金のやり取りは、トラブルになった時に人間関係ごと壊れてしまう可能性があります。たとえ今からでも、借用書を作成することで証拠を明確にし、返済を促すきっかけにもなります。
- 複数回の貸付なら「合計金額」として明記
- 作成日は「実際に借用書を書く日」で問題なし
- 法的効力を強化したい場合は公正証書の活用を
相手を責めることなく、誠実な姿勢で借用書作成を提案することが解決への第一歩です。