自己破産・同時廃止後の財産処分と債権者の調査行為:免責不許可リスクを正しく理解する

自己破産の手続きが同時廃止で進み、債権者意見聴取の段階に入った方にとって、「免責が下りない可能性」や「債権者が調査をするのか」といった不安は大きいものです。この記事では、探偵を雇った尾行の可能性から、財産処分のリスク、同時廃止における“新得財産”の扱いまでをわかりやすく解説します。

債権者は尾行や探偵を使って調査するのか?

結論から言えば、一般的な債権者(金融機関など)が破産者個人に対して探偵を雇うケースはほとんどありません。コストと労力に見合わないため、実務上は書面資料や過去の取引履歴に基づいた意見提出にとどまります。

ただし、個人的なトラブル(知人・親族・元配偶者など)で感情的な対立がある場合、調査会社を使うこともあり得ます。その際は、破産手続きに関係のある「隠し財産」や「収入隠し」などが目的となることが多いです。

バイク売却が免責不許可事由になる可能性

17年落ちのバイクを40万円で売却した場合、その売却時期と使途が判断の鍵となります。以下に注意が必要です。

  • 申立前に売却→報告義務がある(財産の散逸とみなされる可能性あり)
  • 同時廃止決定後に売却→新得財産の扱いになる可能性が高い

重要なのは、売却益を正直に申告しているか、裁判所・弁護士に報告しているかという点です。

同時廃止における「新得財産」とは?

同時廃止決定後に得た財産は「新得財産」として、破産財団(配当の対象)には属しません。つまり、自己破産後にアルバイト収入を得たり、バイクを売ったりしても、その後に発生した財産であれば処分しても免責不許可事由にはなりにくいとされています。

ただし、意図的に処分時期を偽っていたり、申告していなかった場合には、「免責不許可」の理由とされることもあるため注意が必要です。

免責不許可事由となりうる行為一覧

行為 免責に与える影響
財産の隠匿・換金の未申告 重大な免責不許可事由
虚偽の陳述・資料の改ざん 裁判所が重視する
ギャンブルや浪費の継続 程度によっては問題に
売却後の資金使途が不透明 説明責任が求められる

正しく申告していればリスクは下がる

同時廃止の場合、管財人による調査は省略されますが、裁判所は「免責に値する誠実な対応」を重視します。バイク売却益を生活費に使ったことを弁護士や裁判所に正しく申告していれば、それだけで不許可になることは極めて稀です。

むしろ、黙っていたことタイミングの改ざんのほうがリスクになります。

まとめ

債権者が個人を尾行するケースはまれであり、主に文書ベースで意見を提出するのが通常です。バイクの売却も、申立後かつ申告済みであれば問題になりにくく、新得財産と見なされる可能性が高いです。

免責不許可を回避するためには、事実を正直に開示し、弁護士や裁判所と連携して誠実に対応することが最も重要です。

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