任意整理中であっても、急な出費により資金が必要になることは少なくありません。しかし、現在の債務整理状況を踏まえて新たに借入れを検討する場合には、いくつかの重要なポイントとリスクを理解しておく必要があります。特に街金(中小の消費者金融)を利用するケースでは注意が必要です。
任意整理中でも新規借入れはできるのか?
法律上は、任意整理中であっても新規借入れは可能です。しかし、信用情報に「任意整理」の情報が登録されている間は、銀行や大手消費者金融では審査に通るのは非常に困難です。
そのため、多くの方が街金など比較的審査が緩やかな業者への申込を検討しますが、貸付条件が厳しい・金利が高い・悪質な業者のリスクなど、十分な注意が必要です。
司法書士に新たな借入れはバレるのか?
任意整理を依頼した司法書士に対して、現在の借入れ情報が自動的に通知されることはありません。司法書士が信用情報機関を常時監視しているわけではないため、基本的には本人から申告しない限り把握することは難しいです。
しかし、追加の交渉や再度の相談時に新規借入れが発覚する可能性があるため、今後の関係や対応にも影響を及ぼすリスクがあります。
任意整理を行った金融業者にバレる可能性は?
整理対象となった金融業者が、他の消費者金融や街金との取引を知ることは基本的にありません。ただし、新たな借入れ情報は信用情報機関に一定期間登録されるため、同じ信用情報機関を利用していれば、情報が共有される可能性はゼロではありません。
また、滞納や延滞を起こした場合は、整理先の金融業者に間接的な影響を与える恐れもあります。
街金の利用における注意点
街金(中小消費者金融)には優良業者も存在しますが、中には違法業者や過剰融資、取り立てが過激な闇金も紛れています。以下の点に注意して利用する必要があります。
- 登録貸金業者であることを確認(金融庁データベースで検索可能)
- 金利が年20%を超えていないか(利息制限法違反)
- 初回融資で保証金や先払いを求められないか(詐欺の典型)
また、任意整理中であることを伝えた上で融資に応じる業者は、むしろ信頼性の高い対応といえます。
新規借入れによる今後への影響
新たな借入れをしたことによって、完済まで残り数ヶ月であっても、司法書士の支援を再度得ることが困難になる可能性があります。今後、債務整理の再交渉や追加支援を求める場合に、「信用を失う」ことにもなりかねません。
また、新たな借入れが原因で返済不能に陥った場合、最終的には自己破産の選択肢しか残らないケースもあります。
まとめ:緊急時こそ冷静な判断を
任意整理中の新規借入れは、状況によっては可能ですが、リスクも非常に高く、慎重な判断が求められます。司法書士にバレる可能性は低いものの、将来的な信頼関係や交渉力に影響を与えるため、できる限り他の方法(公的貸付制度・知人からの一時的支援など)を先に検討するのが賢明です。
どうしても借入れが必要な場合は、金融庁の登録業者リストなどで安全な業者か確認し、十分なリスク管理の上で判断しましょう。