民事訴訟で支払い命令が出たのに払わない人は放置でOK?支払能力があるのに払わないケースと債権者の対応策

民事訴訟で支払い義務が確定しても、実際にお金が回収されるかどうかは別問題です。支払命令があっても払わない、あるいは「払えない」と言いながら豪華な生活をしている人に対して、債権者側が何もできないように見えることがありますが、実際にはそうではありません。この記事では、支払能力があるのに支払いを拒否する人への対応や、企業などの債権者が取るべき手続きについて解説します。

判決後すぐに強制執行されるわけではない

裁判で勝訴しても、自動的にお金が振り込まれるわけではありません。判決や支払督促に従わない債務者に対しては、債権者が「強制執行(差し押さえ)」の手続きをする必要があります。

ただし、強制執行には手続きと費用がかかるため、債権者が即座に行わない場合もあります。その間に債務者が支払いから逃れようとするケースも多々あります。

支払能力があるのに払わない場合の問題

高級住宅に住み、外食や旅行を楽しんでいる一方で「お金がない」と主張する債務者は、裁判所から見ても誠実な姿勢とは言えません。支払い能力があるにもかかわらず支払わない場合、「悪意の債務者」と見なされやすくなります。

こうした場合には、差し押さえの実施が現実的な回収手段となります。給与や預貯金、不動産、動産などが対象です。

債権者は債務者の生活を監視するのか?

債権者が個人であっても企業であっても、債務者の財産状況を把握しようとすることは珍しくありません。とくに企業は法務部門や債権回収部門が調査・監視を行う体制を持っています。

例えば以下のような手段が使われます。

  • 債務者のSNSなどから生活状況を確認
  • 登記簿を確認して不動産の保有状況を調べる
  • 勤務先情報から給与差し押さえを行う

また、裁判所を通じて「財産開示手続き」や「第三者からの情報取得手続き」も活用できます。

債権者が会社の場合の対応フロー

企業の債権管理部門は、一定額以上の債権については以下のような手順で対応します。

  • 定期的な電話や書面での督促
  • 内容証明郵便の送付
  • 訴訟提起または支払督促
  • 判決確定後の差し押さえ・財産開示請求

加えて、悪質な場合には回収業者への委託や、債権譲渡によって第三者が回収を行うこともあります。

強制執行での実例:給与差し押さえ

ある例では、判決確定後に勤務先を特定し、裁判所を通じて給与の一部を差し押さえた事例があります。これは民事執行法に基づいて法的に認められた手段です。

このように、支払能力があるのに払わない場合でも、債権者が正当な手続きを踏めば回収の可能性はあります。

まとめ:支払い逃れは長期的には不利

民事訴訟で支払い命令が出ても、「バックレる」ことは法律的に不可能ではありませんが、支払能力があることが明らかであれば、差し押さえなどの法的手段で対応される可能性が高まります

債権者側も請求や観察を怠っているわけではなく、企業であれば専門部署が対応しています。支払いを避け続けることは、いずれ信用情報や生活に深刻な影響を及ぼすリスクを伴います。

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