ネット上では軽い気持ちで書き込んだ発言が、思わぬトラブルや法的問題につながることがあります。特に「捕まるかもしれない」と自覚しながら、過去の行為を仄めかすような投稿をした場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。本記事では、犯罪の仄めかし投稿と法的責任の関係について、具体的な事例や法律を交えてわかりやすく解説します。
■ 犯罪の仄めかしは違法か?その法的な位置づけ
日本の刑法では、実際に犯罪を行った場合でなければ処罰されないのが原則です。しかし、未遂罪・予備罪・共謀罪・教唆・扇動などの規定により、ある種の言動は処罰対象となります。
例えば「私はある犯罪をした。でも言うと捕まるから言えない」と書き込んだ場合、その内容次第では捜査機関の関心を引く可能性がありますが、それ単体で罪に問われるケースは稀です。ただし後述する通報や拡散の影響によっては警察が動くこともあります。
■ 実例:SNSの「匂わせ投稿」から警察沙汰に発展
2021年、SNSで「人を傷つけた過去がある。詳細は言えないが後悔している」と投稿した人物が、投稿の内容から過去の事件との関連を疑われて通報され、任意聴取を受けた事例があります。
このように曖昧な投稿であっても、「犯罪行為の自白」と解釈されうる文脈では、警察が確認を取る動きに出ることは実際に起きています。
■ 仄めかしが法的トラブルにつながるパターン
- 過去に話題になった事件と結びつくような投稿
- 被害者が特定できるような内容を含む場合
- 他人への教唆・煽動と受け取られる表現
- 自殺や他害の示唆(刑法では保護責任者遺棄等に波及することも)
単なる空想や比喩でも、文脈によっては「重大な犯罪の予告」や「名誉毀損」に当たる可能性があります。
■ SNSや掲示板での注意点
インターネット上での書き込みは匿名であっても、捜査機関が必要と判断すればプロバイダに発信者情報を開示請求することが可能です。
また、最近ではAIや通報システムが「犯罪リスク投稿」を自動検知する機能も導入されており、思わぬ通報や凍結対象になる可能性があります。
■ 投稿前に意識すべき「3つのチェック」
- 事実かどうか:仮に冗談でも「やった」と言えば事実認定される可能性あり
- 誰かが不安や誤解を抱くか:読んだ第三者に危険と感じさせるか
- 自分が書いたと明示しているか:一人称(「私が」「俺が」)を使うと責任が重くなる
これらに注意するだけで、リスクは大きく下げられます。
まとめ
犯罪の仄めかし投稿は、それ自体が即座に違法とされるわけではありませんが、文脈や内容によっては捜査や法的責任の対象となりうる点に注意が必要です。
軽い気持ちの投稿でも、ネット上では証拠として半永久的に残る可能性があるため、「誤解を招く言い回しは避ける」ことがトラブル回避の第一歩です。自分の言葉がどう受け取られるかを常に意識しましょう。