軽微な接触事故でも、身体に異常がないように感じても油断は禁物です。交通事故後は興奮や緊張により、症状が遅れて出るケースもあります。そこで今回は、事故直後に痛みがない場合でも病院に行くべき理由と、受診時に行われる検査内容について解説します。
交通事故後すぐに痛みが出ない理由
交通事故に遭った直後、痛みや不調を感じないのはよくあることです。これは、脳が「アドレナリン」などのストレスホルモンを分泌することで、痛みの感覚を鈍らせるためです。
また、筋肉や神経の損傷は数時間〜数日経ってから痛みやしびれ、違和感として現れることが多く、「むちうち」などはその典型例です。
病院で行われる主な検査内容
症状が出ていない場合でも、医師は以下のような検査を行うことがあります。
- 問診(事故の状況や現在の体調の確認)
- 視診・触診(首や背中、腰などを中心に異常がないかチェック)
- X線(レントゲン)検査:骨折や骨の異常を確認
- MRI検査:神経や筋肉、靱帯など軟部組織の異常を確認
検査は事故の程度や本人の申告により必要に応じて選択されます。痛みがなければ最初は問診と簡易的な診察のみで済む場合もあります。
診断書は保険や損害賠償請求の重要書類
たとえ痛みがなくても、事故直後に病院に行き診断を受けることで「診断書」が発行されます。この書類は、後から症状が現れた際に保険適用や加害者側への損害賠償請求に必要不可欠です。
事故から日数が経つと、事故との因果関係が証明しづらくなるため、できるだけ早く受診することが重要です。
受診先は整形外科や交通事故対応のクリニックがおすすめ
事故後の身体のチェックには、整形外科または交通事故診療を専門にしている医療機関がおすすめです。総合病院の救急外来よりも、外傷や筋肉・神経系に詳しい医師が多く在籍しているからです。
また、保険会社に治療費を請求する際も、交通事故に精通した医師による診断があればスムーズに対応されやすいです。
具体例:事故直後は無症状だったが後日痛みが出たケース
20代男性が追突事故に遭ったものの、当日は無症状。念のため整形外科を受診し、レントゲンと診断書を取得。3日後、首に強い痛みが出て再受診。初回受診記録があったため、保険会社からの治療費補償もスムーズに受けられました。
このように、後から現れる症状への備えとして、早めの受診はリスク回避につながります。
まとめ:事故直後の無症状でも病院で確認を
交通事故はどれだけ軽微に見えても、身体へのダメージは目に見えにくいことがあります。痛みや違和感がない場合でも、早期に受診することで将来の不調を防ぎ、損害補償の面でも備えが可能になります。
「何もなかったから大丈夫」ではなく、「何かあるかもしれないから受診する」という意識を持つことが、自分を守るために大切です。