人身事故の加害者はどこまで責任を負う?保険の補償範囲と自己負担の実態

交通事故の加害者になってしまった場合、被害者への賠償や罰則など数多くの責任が発生します。「すべて保険でカバーされるのか?」「自己負担はあるのか?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。本記事では、人身事故の加害者が実際に負う経済的・法律的責任について詳しく解説します。

人身事故で発生する賠償責任とは

人身事故の場合、加害者は次のような賠償責任を負うことになります。

  • 治療費
  • 通院交通費
  • 休業損害
  • 慰謝料
  • 後遺障害に関する補償

これらの賠償は、通常は加害者が加入している自動車保険(対人賠償責任保険・人身傷害保険など)から支払われます。したがって、任意保険にきちんと加入していれば、加害者の自己負担は基本的にゼロまたはごくわずかです。

自己負担が発生するケース

ただし、以下のようなケースでは加害者が自腹を切る必要が出てくることがあります。

  • 任意保険に未加入だった場合
  • 保険の補償額を超える高額賠償が発生した場合
  • 飲酒運転や無免許運転など、重大な過失がある場合(保険会社から求償される可能性あり)
  • 物損部分で免責金額が設定されている場合

特に重大な過失があると、保険会社が賠償した後で加害者本人に請求する「求償」の可能性もあります。

違反点数と行政処分について

人身事故を起こすと、加害者には以下のような行政処分が科されます。

  • 違反点数:事故の内容により6点以上加算され、免停または免許取消になることも
  • 反則金:軽微な違反なら反則金、重大事故なら刑事罰(罰金または懲役)

例えば、軽い過失による人身事故であっても、最低6点加算され30日間の免停処分となるケースがあります。

加害者の刑事責任について

人身事故では民事だけでなく、刑事責任も問われる場合があります。刑事事件として扱われるかどうかは、事故の重篤度や加害者の過失の程度によります。

重傷事故・死亡事故であれば、業務上過失致死傷罪などの罪で起訴されることも。前科がつくリスクもあり、注意が必要です。

実例:任意保険で全額補償されたケース

加害者が信号無視で歩行者に軽傷を負わせた事故では、対人賠償保険が適用され、治療費・慰謝料ともに保険会社が全額支払い。加害者本人の負担はゼロで済んだが、違反点数が加算され30日間の免停処分を受けました。

まとめ

・人身事故の賠償金は、基本的に保険会社が支払うが、任意保険未加入や重大な過失があると自己負担が発生するリスクあり。

・違反点数や反則金・罰金など、金銭以外のペナルティも発生。

・事故後は保険会社と警察に迅速に連絡し、状況に応じて法的アドバイスを受けることが重要です。

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