自宅前や住宅街の道路でサッカーをしている子どもがいると、「自分の車にボールが当たるかもしれない」と不安を感じることがあります。特に高価な車に乗っていたり、傷や破損に対して敏感な方はなおさらです。本記事では、万が一に備えた正しい対応や法的なポイントについて解説します。
道路でのボール遊びは法律上どう扱われる？
道路交通法では、道路は本来「通行」のためにある場所であり、遊び場ではありません。特に車の通行量がある道路や見通しの悪い場所でのボール遊びは、重大な事故につながるおそれがあり、保護者の監督責任も問われることがあります。
市区町村によっては「道路遊びをしないように」という注意喚起を掲示している地域もあり、苦情があれば行政が介入する場合もあります。
ボールが車に当たった場合の責任は？
万が一、子どもが蹴ったボールが車に当たり傷をつけた場合、その損害賠償責任は原則として保護者が負います（民法709条、714条）。車の修理費用を請求する際は、加害者（子ども）の保護者と話し合う必要があります。
ただし、加害者側が損害を否認したり、連絡先がわからない場合には、ドラレコ映像や近隣住民の証言などの証拠が重要になります。
事前にできる対策と声掛けのポイント
まず、子どもやその保護者とトラブルになる前に、やんわりと「車に当たると危ないから、公園で遊んでね」と声をかけるのが基本です。直接言いにくい場合は、町内会や管理組合に相談し、掲示物などで周知してもらうのも有効です。
また、自宅前に「ボール遊び禁止」のプレートを設置したり、ドラレコや監視カメラを活用している旨を間接的に伝えるのも抑止効果が期待できます。
車両保険でカバーできる場合もある
自動車保険に「車両保険」をつけている場合、飛来物による破損も補償対象になることがあります。ただし等級が下がるケースもあるため、修理費用と保険料のバランスを見て判断する必要があります。
なお、第三者に請求できる場合は、後から保険会社が求償手続きをしてくれることもあります。
トラブルが拡大する前に相談を
相手の保護者が非協力的だったり、話し合いがうまくいかない場合は、消費生活センターや自治体の生活相談窓口に相談してみましょう。また損害賠償の範囲が大きい場合は、法テラスなどの無料法律相談を利用するのも手段の一つです。
車が日常生活の足となっている人にとっては、少しの傷も大きなストレスになります。無用な争いを避けつつ、冷静に対応できるよう事前に備えておくことが大切です。
まとめ：冷静に対処すれば法的にも守られます
道路でのサッカーは危険を伴い、場合によっては損害賠償請求の対象にもなります。とはいえ、最初から敵対的な態度ではなく、丁寧な声掛けや自治体との連携を心がけることで、多くのトラブルは未然に防げます。
車を守るためにも、証拠の確保・保険の見直し・相談機関の利用などを活用し、いざという時に備えておきましょう。