亡くなった親族の郵便貯金通帳を相続して使うには?必要な手続きと時効リスクを解説

親族が亡くなった際、その人が所有していた郵便局の貯金通帳をどのように取り扱うべきか、悩む方は少なくありません。特に、紛失や支払い停止の手続きが行われた後に通帳が返却され、なおかつ相続人がひとりだけというケースでは、どのような手続きが必要かが気になるところです。本記事では、相続人が郵便貯金を適切に引き継ぐための方法と、放置した場合の時効によるリスクについて詳しく解説します。

相続人が行うべき基本的な手続きとは?

亡くなった方(被相続人)のゆうちょ銀行口座を相続するためには、まず相続の届け出が必要です。ゆうちょ銀行では、相続専用の窓口や申請書類が用意されており、戸籍謄本・相続関係図・通帳・本人確認書類などを提出することで、口座の凍結解除と相続手続きが進みます。

相続人が一人だけの場合は比較的手続きが簡単ですが、相続放棄をしていないことが前提となります。相続を放棄した場合、権利を主張できなくなるため注意が必要です。

支払い停止された通帳がある場合の注意点

通帳が紛失後に「支払い停止(支払停止)」の手続きがされていた場合、口座は一時的に凍結されている状態です。これは不正使用を防ぐための措置で、通帳が返却されたからといって自動的に解除されるわけではありません。

この状態で名義人が死亡した場合、相続手続きを行うことで「支払い停止」も同時に解除され、相続人に対して貯金の払い戻しが行われる仕組みとなっています。

預金の引き出し・名義変更はできる?

相続人は、口座からの直接引き出しや名義変更はできません。相続人名義で新たに開設された「ゆうちょ銀行の払戻用口座」へ相続分が振り込まれる形となります。名義変更というよりも、貯金の払戻しが行われるという理解が正確です。

この手続きを進めるためには、必ず相続手続き書類一式と本人確認書類、そして印鑑登録証明書などを提出する必要があります。

もし相続手続きを放置したらどうなる?

ゆうちょ銀行では、預金の払戻し請求権には時効があり、最後の取引から20年が経過すると消滅時効が成立する可能性があります。つまり、相続人が手続きをしないまま放置していた場合、20年を超えると権利を失い、その資金は最終的に国庫に帰属することがあります。

とはいえ、実際には多くの金融機関で、時効が成立する前に案内が送られることもあり、実務上は確認の機会があることが一般的です。しかし、住所変更や転居によって通知が届かないケースもあるため、早めの対応が重要です。

時効を防ぐためのアクションとポイント

1. 通帳がある場合でも、正式な相続手続きが必要です。
2. 相続関係書類(戸籍、遺産分割協議書など)を準備して、ゆうちょ銀行の窓口に相談しましょう。
3. 時効にかからないよう、死亡後できるだけ早めに手続きを進めることが重要です。

特に、死亡後に口座を凍結されたまま放置することは避けるべきです。わからない場合は専門家(司法書士・弁護士・行政書士)に相談することも一つの手です。

まとめ:相続貯金の適切な管理で将来のトラブルを防ぐ

ゆうちょ銀行の口座は、本人死亡後も正式な相続手続きを経ることで、相続人が正当に払い戻しを受けることが可能です。しかし、通帳があるからといって自由に使えるわけではなく、支払い停止の解除も含めた手続きが必要です。時効のリスクもあるため、相続人となった場合はできるだけ早く対応することが大切です。

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