自転車の酒気帯び運転で赤切符は交付される?誤交付と刑事処罰の可能性を解説

自転車での飲酒運転が思わぬトラブルや処罰につながることをご存知でしょうか。特に、赤切符(交通切符)の交付や取り消し、そしてその後の処分については混乱しやすい部分です。今回は、自転車でのアルコール濃度0.4%という具体的なケースを想定し、誤って赤切符が交付された場合や、赤切符がなくても刑事処罰を受ける可能性について解説します。

自転車でも飲酒運転は道路交通法違反

自転車は道路交通法上「軽車両」と位置づけられており、酒気帯び運転は禁止されています。具体的には、「酒気を帯びて正常な運転ができないおそれがある状態」で運転することは、道路交通法第65条により禁止されています。

ただし、自転車には四輪車のような「呼気アルコール濃度による基準(0.15mg/L)」は適用されません。あくまでも挙動や状況から「正常な運転が困難」と判断されるかがポイントになります。

赤切符とは?交付される条件とその意味

赤切符は、交通違反が刑事事件として扱われる際に交付されるもので、例えば無免許運転や酒気帯び運転(四輪車)などが該当します。自転車においても、特に悪質な違反や事故を伴うケースでは、赤切符が交付される可能性があります。

今回のように「酒気帯び」で赤切符が交付された場合でも、実際にはそれが適法でないこともあります。そのため、警察が誤って交付したと判断し、回収に至ったと考えられます。

赤切符が回収された場合の処分の行方

赤切符が回収された場合でも、刑事処分が完全になくなるとは限りません。赤切符はあくまで「通知書」であり、処分の有無や内容は別途、検察の判断で決まることがあります。

ただし、自転車での酒気帯び運転は、通常は交通反則通告制度(青切符対象)には含まれず、刑事罰の対象にもなりにくいのが実情です。事故や人身被害がなければ、厳重注意や指導で終わるケースも多く見られます。

刑事処罰に至る可能性とは?

以下のような要素が加わると、刑事処罰に発展する可能性が高まります。

  • 明らかにふらついていた、事故を起こしたなどの挙動がある
  • 複数回の違反歴や警告歴がある
  • アルコール濃度が極めて高かった

一方で、誤って赤切符が交付されたが、現実には上記のような要素がなかった場合、警察が自ら誤りを認めて回収することもあります。これは必ずしも「処罰されない」という保証にはなりませんが、刑事訴追の可能性が下がる一要因にはなります。

自転車の飲酒運転が与える社会的影響

近年、自転車による重大事故や危険運転への社会的な注目が高まっています。特に、飲酒運転による歩行者との衝突事故では、民事上の高額賠償が命じられるケースもあります。

例えば、過去には小学生と衝突し後遺症を残した事例で、約9500万円の賠償命令が出されたこともあります(神戸地裁平成25年7月)。飲酒運転が加わると、過失割合や損害賠償額が重くなりやすい点も留意が必要です。

まとめ:赤切符が回収された場合の対応と心構え

自転車での飲酒運転が発覚し赤切符を受け取ったが、後日警察により「誤って交付された」と回収された場合でも、刑事処罰を完全に免れたとは限りません。今後の通知や呼び出しがある可能性を考慮し、今後は飲酒運転を厳に慎むことが最も重要です。

不安な場合や処分の有無が気になる場合には、地元の法テラスや交通専門の弁護士に相談しておくと安心です。自転車とはいえ、安全運転と法令遵守が今後ますます問われる時代です。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール