財布からお金がなくなっていた──このような状況に直面したとき、誰でも「犯人を特定できないか？」と考えるものです。とくに「警察に相談すれば指紋を調べてくれるのでは？」と思う人もいるでしょう。この記事では、現実的な警察の対応や、指紋鑑定の実情、そしてどう対処すべきかについて解説します。
指紋鑑定が行われる条件とは？
まず知っておくべきことは、指紋鑑定は誰でも希望すれば行ってもらえるものではないという点です。警察が指紋採取を行うのは、「事件性が明確」であり、「証拠能力が高いと判断された場合」に限られます。
財布にお金が入っていたという証拠がない、つまり「本当に盗まれたのか」が曖昧なケースでは、警察は指紋採取を行わないのが一般的です。
財布に残った指紋は証拠として有効か？
仮に警察が財布から指紋を採取したとしても、それが誰のものかを照合するためには既に警察に指紋登録されている人物でなければなりません。
さらに、財布は日常的に自分や知人が触れる物であり、付着している指紋が多数になるため、証拠能力が薄れるケースもあります。
被害届や相談はできるのか？
財布からお金が抜かれていた場合、明確な証拠がなくても「被害届の提出」や「相談」という形で警察に連絡することは可能です。被害届を出すことで記録が残り、類似の事件が発生した際に手がかりになることがあります。
ただし、金額や状況によっては「民事不介入」として対応されないこともあるため、感情的にならずに落ち着いて対応することが大切です。
実際の対応例と限界
たとえば、家庭内で現金が抜かれていたが、証拠がないというケースでは、警察は「家庭内トラブル」として取り扱いを見送ることがあります。
また、職場のロッカーで財布の中身が減っていたという事例でも、証拠がなければ防犯カメラの有無や被害の継続性などが重視され、指紋鑑定までは至らない場合が多いです。
盗難を防ぐためにできる対策
万が一に備えて、財布の中の現金の管理や、普段から防犯カメラのある場所に置くなどの工夫が重要です。
また、状況によっては録音機器や監視カメラの設置も視野に入れて、自衛策を講じることが大切です。万一に備えた行動が、後の証拠となる可能性もあります。
まとめ
財布からお金が抜かれたときに警察が指紋を調べてくれるかというと、基本的には「事件性が明確で証拠がある場合」に限られるというのが現実です。
証拠がない状態では警察の動きも限定的となるため、冷静に被害届や相談という形で記録を残すこと、そして日頃から盗難防止の工夫をしておくことが重要です。