テールランプのレンズに破損がある場合、「修理に行くまでの一時的な走行は許されるのか」「片道数十キロの移動は違法にならないのか」など、不安を抱える方は少なくありません。この記事では、レンズが破損した状態での運転における法的リスクや、実際に考えられるトラブルについて詳しく解説します。
道路運送車両法に基づく保安基準とは
日本の車両は「道路運送車両法」により定められた保安基準に適合している必要があります。テールランプのレンズ割れは、その基準を満たさない可能性があります。たとえ光が点灯していたとしても、割れによって内部が露出している状態は「整備不良」と判断されることもあります。
このような状態で運転することは、整備不良車両の運行(第47条)として違反となる可能性があり、警察によっては検挙対象になります。
修理のための走行は例外となるのか
実際には、「修理に向かうための運転」は現場の警察官の裁量で黙認されることが一般的です。ただし、これはあくまでも例外的な扱いであり、正式に合法と保証されたわけではありません。
修理を目的とした走行であることを証明するためには、修理業者との事前連絡内容や予約の確認メール、見積書などを携帯しておくとよいでしょう。万が一止められた場合に正当性を主張しやすくなります。
私的な移動での運転は違法となる可能性が高い
問題となるのは、修理目的以外の使用です。たとえばレジャーや通勤、買い物といった私的な移動に、破損したテールランプのまま運転するのは、明確に違反に該当するおそれがあります。
特に夜間走行や悪天候時は、後続車に対して十分な視認性が確保できないため、追突事故のリスクも上がります。事故の際には過失が重く見られることもあるため、早急な修理が望まれます。
テールランプ破損による罰則と点数
整備不良による運転は、「道路交通法第62条」により、違反点数1点および反則金7,000円(普通車)などが科せられる場合があります。また、これを放置していると車検時にも通らず、登録上の不備として指摘されることもあります。
さらに悪質と判断された場合には、車両使用停止処分や、事故時の過失割合にも影響する可能性があります。
応急処置としてのテープ補修は有効?
一時的な対応として、赤いビニールテープなどで割れた部分を覆う応急処置を行うドライバーもいます。これは完全な修理とはみなされませんが、違反のリスクを軽減する手段として有効な場合もあります。
ただし、警視庁の整備不良に関する基準では、あくまで基準適合が求められているため、応急処置は早期修理のための“つなぎ”としてとどめるべきです。
まとめ:テールランプ破損時の走行は最小限に
テールランプのレンズが割れた状態での走行は、修理目的であっても慎重に判断すべきです。法律上は違反に該当する可能性があるため、正規の修理を早急に行うことが最も安全かつ合法的な対応といえます。
私的な運転は避け、必要に応じて応急処置や修理証明書の携帯など、万が一のトラブルにも備えて行動しましょう。