うっかり踏切の警報音に気付かず進入してしまった経験は、誰しもが一度はヒヤリとするものです。今回は、踏切の警報中に車両が進入してしまった場合の法的リスクや、警察や鉄道会社からの連絡の可能性について、わかりやすく解説します。
警報音中に踏切へ進入した場合の交通違反について
道路交通法第33条では、踏切の遮断機が下り始めていたり、警報機が鳴っていたりする際には、その手前で一時停止しなければならないと規定されています。つまり、警報音が鳴っている中で踏切へ進入した場合、「踏切不停止等違反」として交通違反に問われる可能性があります。
この違反が確認された場合、普通車であれば反則金9,000円、違反点数2点が科されることになります。
警察から連絡がある可能性は?
現場に監視カメラが設置されていたり、近隣住民や鉄道関係者から通報があった場合には、後日、警察から事情聴取や出頭の連絡があるケースもあります。
ただし、事故や列車への影響がなかった場合、また録画映像や目撃者が存在しない場合には、連絡が来ないことも少なくありません。
鉄道会社からの請求はあるのか?
基本的に列車を止めたり、ダイヤに遅れを生じさせたような実害が発生しなければ、鉄道会社からの請求は発生しにくいです。
しかし、仮に列車が緊急停止したり、鉄道設備に損傷を与えた場合は、鉄道会社から損害賠償請求を受ける可能性もあります。過去には数十万円〜数百万円の賠償を求められた事例もあります。
実際のケース:遮断機が下りる前に踏切に入ってしまった場合
今回のように、警報音に気付かず進入してしまい、遮断機も下りておらず、問題なく踏切を通過できたケースでは、実害がなければ警察や鉄道会社からの連絡がないまま終わる可能性が高いです。
とはいえ、再発防止のためにも、踏切手前での一時停止と周囲の確認を徹底することが大切です。
万一、連絡があった場合の対応
警察や鉄道会社からの連絡があった場合は、冷静に対応しましょう。内容が不明確で不安な場合は、交通事故専門の弁護士に相談するのも一つの手段です。
また、無断で金銭を請求された場合には、必ず正式な書面や請求根拠を確認することが重要です。正当な賠償義務がない限り、安易に支払わないように注意しましょう。
まとめ:注意喚起と冷静な対応を心がけて
踏切の警報音に気づかずに進入してしまった場合でも、事故や列車停止がなければ重大な問題に発展しないケースが多いです。
ただし、法的には違反に該当する可能性があるため、今後は音や視覚による警報に十分注意を払いましょう。万一連絡が来た際は、慌てずに正しい情報をもとに対応することが大切です。