インターネット通販では、自動車部品などの専門性の高い商品を注文する際、適合確認やキャンセル対応に関するトラブルが起こることがあります。今回は、車のセルモーターを楽天で注文した際に発生したキャンセル料請求と返金拒否の事例をもとに、適切な対応や注意点を解説します。
事前確認と適合チェックの落とし穴
自動車部品の注文時には、車両情報をもとに「適合確認」を依頼できる場合があります。購入ページにて「当店にて確認済み」や「未確認」などの選択肢がある場合、購入者としてはショップによる確認を前提に注文するのが一般的です。
しかし、販売者が「適合外」と連絡し、代替品への誘導やキャンセル料の請求に発展するケースでは、購入者側の過失の有無が重要なポイントになります。
キャンセル料の請求は妥当なのか
消費者契約法では、明確な合意がない限り一方的なキャンセル料請求は無効となることがあります。特に「販売者が適合確認可能」と明記し、注文時に確認を依頼したにも関わらず、型式の違いを理由にキャンセル料を請求するのは、販売者の説明義務違反に近い可能性もあります。
また、注文者が「商品が合わない」と判断したのではなく、ショップ側から適合しないと通知された場合は、購入者都合のキャンセルとするには無理があると考えられます。
返金前にキャンセル料を請求されるのは正しい?
通常、クレジットカード決済におけるキャンセル時の対応は以下のいずれかです。
- キャンセル処理後、差額または全額の返金処理
- キャンセル料分のみ請求確定し、残額を取消
しかし今回のように「キャンセル料を先に別口座に振り込み、その後に返金」とする手法は、二重払い・不透明な処理になるリスクがあります。これは適正な取引慣行とは言い難く、カード会社や楽天の購入者保護制度への相談も検討すべきです。
取るべき対応と相談先
今回のような状況に陥った場合、以下のステップをおすすめします。
- 楽天の「安心ショッピングサービス」窓口に相談:購入者保護制度が利用可能
- クレジットカード会社に異議申し立て:キャンセル処理が妥当でない旨を報告
- 消費生活センターに相談:契約上の問題や販売者の対応が適切かを確認
また、支払い前の返金に不安がある場合は「相殺処理(返金からキャンセル料を差し引く)」を希望することを交渉の余地として伝えてみましょう。
同様のトラブルを防ぐための予防策
今後同様の商品をネットで購入する際には、次の点を徹底しましょう。
- 注文前に車検証などを使って自ら型式を確認
- 販売ページの記載(返品・キャンセルポリシー)をスクショ保存
- 適合確認を依頼した証拠(フォーム入力やメッセージ)を残す
また、返金・キャンセルの取り扱いについて明確に記載がある店舗を選ぶことで、トラブルのリスクを減らせます。
まとめ
今回のケースでは、購入者都合とされる根拠が曖昧である点や、返金対応の順序に疑問があるため、楽天やクレジット会社、消費者相談機関を通じて公的な対応を進めることが重要です。感情的にやり取りするよりも、契約内容・証拠の有無をベースに冷静に交渉することで、よりよい解決に近づけるでしょう。