交通事故を起こした際、加害者は刑事、行政、民事の3つの責任を負う可能性があります。特に、無制限の対人・対物補償保険に加入している場合でも、全ての責任から免れるわけではありません。以下に、それぞれの責任について詳しく解説します。
刑事責任とは?罰金や懲役の可能性
交通事故で人身事故を起こした場合、過失運転致死傷罪などの刑事責任が問われることがあります。罰金の目安は、被害者のけがの程度や加害者の過失の度合いによって異なりますが、一般的には30万~50万円程度が科されることが多いです。
行政責任とは?免許停止・取り消しの可能性
行政責任は、運転免許に関する処分です。交通事故の加害者が持つ運転免許の点数が加算され、その累積点数に応じて運転免許の停止や取り消しなどの処分を受けることがあります。特に、危険運転致死傷罪や酒酔い運転など、悪質性の高い違反の場合には、1度の違反で免許取り消しの処分を受けることがあります。
民事責任とは?損害賠償の義務
民事責任は、交通事故の加害者が、被害者に対して損害賠償を支払うことです。交通事故の場合、車を破損させてしまったり、相手がけがをしてしまったりするため、以下のような損害賠償を支払います。
- 車体の修理費
- けがの治療費
- 入院や通院にかかった費用
- 交通事故により負ってしまった精神的苦痛
- 休業損害
支払う金額は、保険会社も交えた当事者同士の話し合いで決まります。加害者が無保険で運転していた場合や、保険会社からの支払額が不足していた場合には、加害者がその分を支払うことになります。
無制限補償でも全ての責任から免れるわけではない
無制限の対人・対物補償保険に加入している場合でも、民事責任の一部をカバーすることはできますが、刑事責任や行政責任については保険でカバーすることはできません。特に、刑事罰や免許停止・取り消しなどの行政処分は、保険の適用外となります。
まとめ
交通事故を起こした場合、無制限の対人・対物補償保険に加入しているからといって、全ての責任から免れるわけではありません。刑事責任や行政責任も存在し、それぞれに対する処分が科される可能性があります。事故を起こさないよう、安全運転を心がけることが最も重要です。