会社法における取得条項付新株予約権とその資本金への影響について解説します。新株予約権の取り扱いがどのように資本金を増加させるのか、またその仕組みについて、法的な観点と実務的な側面をわかりやすく説明します。
新株予約権と資本金の関係
取得条項付新株予約権を会社が取り上げ、その見返りに株式を渡すことで、現金のやり取りなしに資本金が増加する仕組みを理解することが重要です。このプロセスでは、現金は動かなくても、会社の「箱(科目)」を移動させることで資本金が増えることになります。
お金の流れは“箱の移し替え”
新株予約権の取り扱いについて、資本金の増加は現金の出入りではなく、会社内で価値がどの科目に振り替えられるかがポイントです。過去に受け取った価値(現金や労務など)は「新株予約権」という科目に入れられ、今回の取引でその価値を「資本金」や「資本準備金」といった別の科目に振り替えることで資本金が増加します。
新株予約権の取得と資本金への振替
新株予約権が会社に戻ると、以下のような仕訳が行われます。
- 新株予約権の箱が-100
- 資本金の箱が+50(最低でも半分は資本金へ)
- 資本準備金の箱が+50
- 現金の箱:±0(現金は動かない)
これにより、資本金が増えますが、会社全体の純資産合計は変わりません。あくまで「箱の移し替え」による変化です。
株式↔株式と資本金増加の違い
自社の株式を引き取って新しい株式を渡すだけの取引では、資本金は増加しません。株式の交換は「着替え」に過ぎないため、会社に新たな価値は入ってこないからです。これに対し、予約権から株式への交換では、価値の移動があり、資本金が増えることになります。
まとめ
会社の資本金を増加させるためには、価値が「新株予約権」から「資本金」や「資本準備金」へ振り替えられることが重要です。現金の流れはなくても、会社の「箱」の中で資産が移動することで資本金が増える仕組みを理解することが、会社法の解説において肝心なポイントとなります。