駐車場での当て逃げと自己申告|柱や壁にぶつけた場合の正しい対応と注意点

駐車場内で誤って柱などに車をぶつけてしまった場合、特にその場から立ち去ってしまったあとに「当て逃げになるのでは」と不安に感じる方は多いでしょう。この記事では、ホテルや商業施設の駐車場での物損事故に関する法律的な扱いと、警察に自己申告する際のポイントについて解説します。

1. 駐車場内の事故は「当て逃げ」になるのか?

まず、「当て逃げ」というのは、法律上では道路交通法第72条(事故報告義務)に基づきます。この条文では、交通事故を起こした運転者は速やかに警察へ報告しなければならないとされています。たとえ人身事故でなくても、物損事故の場合でも報告義務があります。

駐車場が一般に開放されている場所(不特定多数が利用できる)であれば、「道路」とみなされるため、そこを離れてしまうと当て逃げ(報告義務違反)になる可能性があります。一方で、完全な私有地(従業員専用や施錠付きなど)であれば、法律上の「道路」ではないため、厳密な意味での交通違反には当たりませんが、施設側への損害賠償義務は残ります。

2. 3日経ってから警察に行った場合の扱い

事故から数日経過していても、自ら警察に申告することは非常に重要です。誠実に報告すれば、逃げたとみなされるよりも軽く扱われることがほとんどです。たとえ報告が遅れても、「故意に隠そうとした」わけでなければ、厳しい刑事処分になる可能性は低いでしょう。

警察署に行く際には、事故があった駐車場の住所や状況をできるだけ正確に説明し、ぶつけた場所や車の損傷部分の写真があれば持参するのが理想です。

3. 施設(ホテルなど)への報告と損害賠償

警察への報告と並行して、ホテルなどの駐車場管理者にも必ず連絡しましょう。柱や壁などに損害が発生している場合は、施設側の財産に損害を与えたことになります。これは民法第709条に基づく「不法行為による損害賠償責任」に該当します。

誠実に連絡すれば、相手方も冷静に対応してくれる場合が多く、軽微な破損であれば保険で対応できるケースもあります。修理費用を全額自己負担するより、早めに誠意を示す方がトラブルを最小限に抑えられます。

4. 当て逃げとみなされるケースと処罰

もし、駐車場が「不特定多数の人が出入りできる道路」と判断され、警察の報告義務を怠った場合、道路交通法違反(報告義務違反)として処罰の対象になることがあります。一般的には罰金刑(5万円以下)や減点が科されることがあります。

ただし、事故相手がいない(施設物への損害のみ)場合や、後日自ら申し出た場合は、情状が大きく考慮され、重い処罰にはなりにくい傾向にあります。

5. 今後の対応と再発防止のポイント

今後のために、事故を起こしてしまった場合には、その場ですぐに警察と施設に連絡し、状況を記録しておくことが重要です。車の損傷や現場の写真を撮っておけば、後日のトラブルを防ぐ証拠にもなります。

また、ドラレコ(ドライブレコーダー)を活用すれば、事故の状況を正確に残せるため、自分の身を守るうえでも有効です。

6. まとめ

駐車場内での「柱への接触事故」は軽く見られがちですが、逃げてしまうと当て逃げとみなされる可能性があります。数日経過していても、早めに警察と施設に連絡し、誠実な対応を取ることが大切です。自己申告を行えば、処分は軽減される場合が多く、今後の信頼回復にもつながります。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール