親が自己破産を検討している場合、「今の住まいに住み続けられるのか」「新しく賃貸契約ができるのか」など、生活に直結する不安を感じる方は多いでしょう。この記事では、自己破産と賃貸契約・生活保護の関係をわかりやすく解説します。
自己破産しても賃貸契約は可能なのか
結論から言うと、自己破産をしても賃貸契約は可能です。ただし、いくつかの条件や注意点があります。自己破産は「借金の免責」に関する制度であり、住まいの契約そのものを制限するものではありません。つまり、破産したからといって自動的に「賃貸契約不可」になるわけではないのです。
ただし、賃貸契約時に信用情報(いわゆるブラックリスト)が審査に影響する場合があります。不動産会社や保証会社によっては、信用情報を参照して「審査に通らない」ケースもあります。特に、家賃保証会社を利用する場合は注意が必要です。
既に契約している賃貸物件は追い出されるのか
現在すでに住んでいる賃貸物件については、自己破産しても基本的に退去を求められることはありません。契約を継続できるかどうかは、家賃の支払いを続けられるかにかかっています。家賃を滞納していなければ、破産を理由に契約解除されることは法律上認められていません。
ただし、保証会社を通している場合、破産手続き中に連絡が入ることがあります。保証会社によっては契約内容の見直しを求めることもあるため、事前に確認しておくと安心です。
親が自己破産しても子に影響はある?
親が自己破産しても、子どもに直接的な影響はありません。親の債務が子に引き継がれることもありませんし、信用情報が共有されることもありません。したがって、あなた自身が別に賃貸契約を結ぶ場合にも、親の自己破産が原因で審査に落ちることはありません。
ただし、親と同居している場合、保証人関係や収入状況を確認される可能性はあります。独立して生活する予定があるなら、賃貸契約の際は自分の収入証明をしっかり提示することでスムーズに進むでしょう。
自己破産した親は生活保護を受けられる?
自己破産をしても、生活保護の申請は可能です。むしろ、破産によって収入や資産がなくなった場合、生活保護の対象となる可能性が高くなります。ただし、申請時に「扶養義務者(子どもなど)」の存在が確認されるため、あなたの経済力が審査に影響することがあります。
ただし、近年の運用では「扶養照会(あなたへの問い合わせ)」が来ても、必ず援助義務があるとは限りません。生活保護制度上、「援助できない事情(距離・関係性・経済的理由)」を説明すれば、多くの場合で扶養を免除できます。厚生労働省のガイドラインでも、「扶養照会を理由に保護を拒否することはない」と明示されています。
自己破産後に賃貸契約をする際のコツ
自己破産後でも新しい住まいを見つけることは十分可能です。以下のようなポイントを押さえておくとスムーズに契約できます。
- 個人オーナー物件を狙う(保証会社を使わない物件もある)
- 公営住宅やUR賃貸を検討する(保証人不要・審査が柔軟)
- 初期費用が少ない短期賃貸やマンスリーマンションで一時的に暮らす
特にUR賃貸住宅は、過去の金融事故があっても問題にならないため、自己破産直後の住まい探しに向いています。
まとめ|自己破産後でも生活を立て直すことはできる
自己破産しても、賃貸契約は可能であり、追い出される心配もほとんどありません。また、親の自己破産が子に直接影響することもありません。生活保護についても、あなたが援助できない事情を説明すれば問題なく受給できる可能性があります。
大切なのは、早めの相談と冷静な情報整理です。弁護士や自治体の無料相談を活用しながら、親子それぞれの生活を守るための最善策を探していきましょう。